シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPUFCジム、突然の閉鎖

社会

2023年5月12日

UFCジム、突然の閉鎖

 グエン・トゥアン・フンさんは、ボクシングジムから割引やその他の特典を提示されて、ジム会員の更新を決めた。彼のジム会員期限は昨年10月に切れる予定であった。
 
 その7ヵ月後にUFC ジムはシンガポールの両店舗を閉鎖した。
 
 ポリテクニックの学生である20歳のフンさんは、ジムのシティスクエア店で1,300Sドル(約13万2,000円)の1年契約にサインしたが、その店舗は開店から1ヵ月も経たないうちに閉鎖され、彼のアカウントはUFCジムのシティリンク店に移された。
 
 フンさんは、2022年10月に契約が切れるタイミングで、ジムの従業員が年間一括払いで割引があると会員更新を促してきたので、更新手続きを行ったが、約2週間後、シティスクエア店が倒産したことを知ったと述べた。
 
 送られたメールには、ジムが再開されるまで、すべての会員資格が一時停止され、通常に戻ると記載されているが、いつ再開するかについては明記されていなかった。
シティリンクの店舗が閉鎖されることについても、会員には何も知らされなかったとフンさんは述べた。
 
 UFC ジムは、米国の最も人気のある総合格闘技プログラムであるUltimate Fighting Championship(UFC)のフィットネスフランチャイズであり、UFC選手のトレーニング方法に着想を得たトレーニングプログラムを提供している。
 
 多くのメンバーが会員費の返金について不安を感じ始めたのは、UFC ジムのシティリンク店がAnytime Fitnessの店舗に変わったことに気づいた時である。
 
 ジムのウェブサイトは現在アクセスが出来なくなっているが、ソーシャルメディアページはまだ稼働している。
 
 ハンさんは、私を含め多くのメンバーがお金を返してもらいたいと思っているが、それは無理だと思うと述べた。
 
 数人の会員は警察にポリスレポートを提出し、消費者団体のシンガポール消費者協会(Case)に苦情申し立てをしてる。警察では、現在調査が進行中であるという。
 
 同じくUFCジム閉鎖の被害者の1人であるトゥン・カ・ワイさんは、年末プロモーションでサインアップした後、2022年2月に12回の個人トレーニングセッションに1,296Sドルを支払った。ジムが閉鎖されるまでに3回しか個人トレーニングを受けていなかったという。
 
 トゥンさんは、Community Justice and Tribunals Systemのポータルサイトで申し立てを行い、ジムの親会社であるNutriFirst社から回答を得たという。
NutriFirstの回答は、残金の返金を行わない代わりにUFCの商品と交換することを進めてきたという。
 
 Case会長のメルビン・ヨン氏によると、UFCジム閉鎖に関する苦情は、2月1日~5月9日までに2件あった。被害者はSmall Claims Tribunalに届出するようアドバイスしているという。
 
 米国カリフォルニア州に拠点を置くUFCジムの最高経営責任者アダム・セドラック氏は、シンガポールでのジム閉鎖の原因は、Covid-19の流行であるが、シンガポールの2店舗については、UFCやUFCジムが直接所有しているものではないと述べている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPUFCジム、突然の閉鎖