2023年4月27日
シンガポール、政府の有効性で世界1位に
世界中の政府の有効性を追跡するランキングで、シンガポールが初めて公開された2021年以来、トップであったフィンランドを抑えてトップに躍り出た。
これまで2回のランキングでは3位だったシンガポールが、2023年版で首位に躍り出たのは、リーダーシップと先見性、強力な制度、財政管理、魅力的な市場、人々を支援する柱における実績が評価されたためです。
しかし、強固な法律と政策、世界的な影響力と評判という2つの柱では、2022年に比べてやや低い評価を受けている。
Chandler Institute of Governanceは、今年で3回目となるこの報告書では、多重危機と呼ばれる、複数のグローバル危機が相互作用して個々の危機よりも大きな被害をもたらす状況において、良い政府の柱がどのように立ち振る舞うかに焦点を当てていると述べた。
シンガポールに本部を置く非営利団体である同研究所は、致命的なパンデミック、流血の戦争、蔓延するインフレが混ざり合った状況において、不確実性の中で安定を維持し、適応する必要がある政府にスポットライトが当てたという。シンガポール政府が激動の時代に成果を上げることができたのは、実行、戦略的優先順位付け、イノベーションの分野で改善されたからであると述べている。
シンガポールのCovid-19パンデミックへの対応は賞賛に値するものであり、同国は同様の国々よりもパンデミックからの回復が早く、経済も危機前の水準を超えたと指摘した。
シンガポールに続くトップ10は、スイス、フィンランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、オランダ、ドイツ、イギリス、ニュージーランドである。
シンガポール、フィンランド、ノルウェーの3ヵ国は、多発性危機がもたらすリスクを管理する能力が最も高いことを示したと同研究所は述べており、統治能力の高い国は、こうした危機に備えるための回復力をより高めている可能性が高いと指摘する。
この指標は、危機に備えるために公的機関がどのように連携しているか、政府が良い雇用を維持しながらどのようにインフレに立ち向かっているか、政府がより包括的なコミュニティや回復力のある医療システムをどのように構築しているか、などを調査する。
7つの柱に整理された35の指標で各国を評価する。
国連、世界貿易機関（WTO）、ワールド・ジャスティス・プロジェクト、イェール大学など、50以上の公開された世界のデータソースが利用される。
Chandler Institute of Governanceは、全体的な良い統治の最も信頼性の高い予測因子は法の支配、倫理的リーダーシップ、財産権を捉えた指標であると述べた。これは2022年および2021年のデータにも当てはまり、これらの3つの統治要素が効果的な統治を実現するためにどれだけ基本的であるかを示している。
評価対象は、世界人口の約90％を占める104ヵ国です。
シンガポールは、法の支配で11位、倫理的リーダーシップで4位、財産権で2位とランク付けされた。
良い政府は、極端な不平等を減らすといった多くの国の目標や優先事項と密接に相関していて、これは、よく統治された国が共有繁栄や公正かつ包摂的な社会を達成するためにより準備ができていることを示唆する。
デンマークデザインセンターの最高経営責任者であり、本指標のグローバルアドバイザリーパネルのメンバーであるクリスチャン・ベイソン氏は、倫理的リーダーシップの永続的な重要性は、公的意思決定者が高い水準の誠実さを保ち、自らが働く市民や社会と共感する責任を指し示していると述べた。
しかし、倫理的リーダーシップは、リーダーシップと先見性というより広い文脈で捉えられるべきものであり、多発する危機の中で最も重要なのは、良い社会とはどのようなものかという新しいビジョンを共同で育む能力かもしれない。結局のところ、想像することができれば、それをデザインすることができる。2023年には、日本、ベトナム、インドネシア、中国、カンボジア、韓国を含むアジア諸国が、公共部門の能力とパフォーマンスの向上を示して、この指数で上昇したと研究所は述べた。
また、中所得国では、ベトナム、北マケドニア、キルギス共和国、ケニアが最も大きな改善を示し、指数に大きな動きがあったという。
同機関のエグゼクティブディレクターであるウー・ウェイネン氏は、同指標の方法論は政治的イデオロギーではなく、技術的能力やスキルに焦点を当てている。この指数が、政府の体制や所得水準にかかわらず、すべての国にとって、より効果的なガバナンスと公共サービスの提供を支援する実用的なツールになることを望んでいる。中所得国やアジアの多くの国でランキングに前向きな動きが見られることは、心強いことであると述べた。
