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日系企業・社会

2023年4月25日

ANA、誤って販売したビジネスクラス航空券を取り消す

 全日本空輸(ANA)は、誤って安く販売された北米行きのビジネスクラス航空券をキャンセルし、先週、通常価格10,000USドル(約1万3,300Sドル)のものを僅か数百USドルで購入したシンガポール人を失望させた。
 
 ANAは4月25日(火)、通貨変換のエラーが発生したベトナムのウェブサイトで、影響を受けた顧客に通知し、「すべての旅程をキャンセルして全額返金する」と述べた。
 
 旅行技術プロバイダーであるアマデウスが提供する運賃見積もりシステムの技術的エラーを原因とし、現在は修正されていると述べている。
 
 ANAは、このエラーの影響を受けた各顧客に電子メールで通知するとし、顧客が何らかの行動を取る必要はない。また、このような問題が発生したことは誠に遺憾であり、顧客に迷惑をかけたことを深くお詫びすると述べた。
 
 22歳のエドウィン・アンさんは、正規兵役に就いている大学生で、友人2人と共に、2024年1月にシンガポールからニューヨークへの往復便を415Sドル(約4万2,000円)で確保した。
 
 彼にとって日本の航空会社に裏切られたのは今回が初めてではなく、2023年1月に彼が予約した東京から大阪へのフライトが雪嵐のためにキャンセルされたことがあるという。彼は、ANAの決定に「非常に失望した。2度あれば十分、3度目は魅力なし、ANAとは縁を切って、次回はシンガポール航空にしようと思っている。」と述べた。
 
 誤って販売されたビジネスクラスチケットのほとんどは、ジャカルタ発の旅行で、日本を経由してニューヨークに向かい、その後、シンガポールやバリを含む各種東南アジアの目的地に戻るものであった。
 
 ブルームバーグによると、25万USドル相当のANAビジネスクラス航空券をわずか1万7,000USドルで予約したと報じた。
 
 先週水曜日ANAの広報担当者は、チケットを購入した人々に対して、同社がチケットを認めると発表した。しかし、その日のうちに、最終決定はしておらず、4月末までに決定する予定である。また、決定前に搭乗した顧客には有効であると述べていた。
 
 旅行の専門家たちは、ANAのような航空会社は、誤った運賃を支払う義務はなく、航空券をキャンセルする権利を有しているため、一生に一度のお得な航空券を手に入れたと思った人は、失望する可能性が高いと述べている。ほとんどの航空会社が定めた運賃規定では、誤った価格が設定された場合、航空会社が一方的にチケットをキャンセルすることができるようになっている。
 
 これは、多額の金銭がかかっている場合に起こりやすい。ANAは、販売された航空券の枚数を明らかにしていないが、ベトナムのウェブサイトに12時間以上掲載され、このニュースは、旅行関連のソーシャルメッセージグループやウェブサイトで拡散された。
 
 逆に金銭的な被害がそれほど大きくない場合には、航空会社が間違って安いチケットを売っても、認める例外がある。キャセイパシフィック航空は、2019年に同じようなミスをした際、ビジネスクラスとファーストクラスのチケットをエコノミークラスのチケット価格で認めたという。

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