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社会

2023年3月30日

化粧品チェーン「Sasa」、シンガポールに復帰

 香港最大の化粧品チェーンSasaは、3年前に22店舗あったすべてを閉鎖して撤退したシンガポールに戻ってくることを計画している。
 
 香港では、パンデミック時に数十店舗を閉鎖した後、2023年は、香港がショッピングハブとしてCovid-19以前の状態に戻るかどうか疑問が残るため、ほんの一握りの新店舗出店と慎重になっている。
 
 Sa Sa International Holdingsの慎重な見通しは、Covid-19の規制緩和後の金融ハブの経済回復のペースに対する広範な悲観論が反映して、最高財務責任者のダニー・ホー氏は、売上が流行前のレベルに戻るには2026年までかかることが予想され、観光客の売上は70%から60%に減少するという。
 
 Sasaは、2019年から2020年の会計年度で香港において、利益を上げることができなかったためにシンガポールに戻ることが決定していて、2023年にシンガポールで1~2店舗をオープンする計画だとホー氏は述べた。
 
 また、Covid-19後の観光ブームの影響で今後数ヵ月の売上が2019年の水準を超えると予想されるため、マレーシアでは既存の71店舗に加え、さらに多くの店舗をオープンすることを計画しているという。
 
 中国本土では、38店舗を展開しており、同社は現在のオペレーションで利益を上げることに注力しているが、下期には拡大を検討する可能性がある。
 
 Sasaは香港小売管理協会に加盟しており、海南省当局との協議に参加し、現在1年以上かかる美容製品登録の時間短縮に着手している。また他のチャネルへの展開も視野に入れているとホー氏は述べた。
 
 より多くの観光客が香港に戻ってくるでしょうが、「私たちはかなり保守的な見通しを持っているので、それを当てにしているわけではありません」と述べています。
 
 Sasaは2023年に香港とマカオで5~7店舗をオープンする予定である。中国本土のゼロコビト政策の影響で、香港とマカオの店舗数は過去3年間で3分の1の約80店舗に縮小された。
 
 Sasaの慎重な動きは、香港がCovid-19以前の金融とショッピングの中心地としての地位をすぐに回復できるかどうかという疑念に拍車をかけることになると考えられる。
 
 中国の消費者がオンラインショッピングに移行し、マカオや中国南部の免税店街である海南島でライバルとなるショッピングハブが台頭するなど、香港は長期的な課題にも直面しているという。
 
 香港の2月の観光客訪問数は150万人で、2019年の同時期から74%減少している。
 
 隣接するカジノのハブであるマカオは、同月の訪問者数が160万人で、2019年の水準から55%減少したと報告した。
 
 観光客がすぐには戻ってこないことを予測して、Sasaは観光客がよく使う化粧品やスキンケア製品に加え、シャンプーやシャワージェルなどのパーソナルケア製品の販売を増やすなど、地元消費者に重点を移してきた。
 
 また、Facebook、Instagram、YouTubeなどのソーシャルメディアプラットフォームで存在感を示し、WeChatやWhatsAppなどのメッセージングアプリ、さらにライブストリーミングで顧客とのコミュニケーションも行っているという。

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