2022年11月23日
23年の昇給率3.75%、コロナ前上回る
人材コンサルティング大手の米マーサーは、シンガポールの2023年の昇給率が平均3.75%となる調査結果を明らかにした。
22年の3.65%を上回るほか、新型コロナウイルス流行前の19年の3.60%も上回る見通し。
18産業に従事する1,000社以上への調査結果をまとめた。最も高い昇給率が見込まれる業種は運輸で、これに金融とハイテクが続いた。一方、最も低いのは不動産となる見込み。
平均昇給率は過去数年で最高となるものの、インフレ率を下回る見通し。企業が競争力を確保するためで、マーサーの調査では、インフレ分を給与に上乗せするための予算を確保していると答えた企業は22%にとどまり、45%は調整する計画はないとしている。なおシンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省は、22年のインフレ率を6.0%、23年を5.5〜6.5%と予想している。
一方、22の離職率は15.2%となり、新型コロナ前の12.0%を上回る見通し。業種別で最も高いのは小売りで、これに航空宇宙と運輸が続いた。離職理由は「明確なキャリアパスの欠如」が64%で最も高く、これに「賃金の低さ」が50%で続いた。
(提供:亜州ビジネスASEAN)