シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPMOHは「Healthier SG」に中医学を取り入れることを検...

社会

2022年10月6日

MOHは「Healthier SG」に中医学を取り入れることを検討

 シンガポールの新しい予防医療戦略「Healthier SG」が来年に始動すれば、中国伝統医学(TCM)が健康増進に活用される可能性があるという。
 
 オン ・ イェクン (Ong Ye Kung) 保健相は、10月5日(水)に国会で、中医学は予防医療に非常に強く、政府はそれがどのように「Healthier SG」を補完できるかを検討している。過去1年間、シンガポール保健省(MOH)とTCMコミュニティーは2つのワークグループを設立し、TCM臨床トレーニングの強化やキャリア開発の改善といった問題に取り組んできた。それらの研究が完了すれば、「Healthier SG」を支援するために中医学をどのように関与させるかを検討する基礎になると述べた。
 
 労働者党のプリタム・シン議長(Aljunied GRC)は、TCMを「Healthier SG」の一部とする問題を提起し、メディセーブを拡張して、一般的な健康管理および慢性疾患の予防に実証済みの役割を持つTCM処置および代替療法をさらにカバーすることを提案した。
 
 シン氏によると、MOHは、公的医療機関で処方される薬と実質的に同じ臨床結果をもたらす代替医療のコストを調べるべきだという。
 
 例えば、便秘によく効くフィボジェルは補助金なしで20Sドル(約2,000円)前後するのに対し、同じような効果をもたらすサイリウムハスクはリトルインディアやフェアプライスのスーパーマーケットでは3Sドル(約300円)以下で購入できると彼は言う。
 
 オン氏は、一方が西洋医学の製品で、一方が中医学の製品というのは違う、どちらも似たようなもので、薬ではなく栄養補助食品である。病院から地域社会へとケアの重心を移すシンガポールの予防医療戦略の一環として、中医学に期待をしているが、TCMは西洋医学の代わりにはならないし、なれないと述べた。
 
 この2つは別のシステム、分野、ノウハウである。交わり、重なり合うことはあっても、一方が他方のようになることは期待できない。
 
 例えば、西洋医学の医師は、長期的な体内元素のバランスについて理解していると公言することはまずない。そして、中医学の医師に、この患者さんには、命を救うための緊急手術が必要なのだが、代わりにやってもらえないかと尋ねれば、丁重に断るだろう。なぜなら、彼らは互いのスペース、長所と短所を尊重しているのだと考えられる。
 
 オン氏は、中医学者委員会の次期会長であるテオ・ホー・ピン博士と、中医学に関することで何度か議論をしてきたという。
 
 テオ・ホー・ピン博士は、来年2月末までに会長としての3期を終えるユーフー・イーシュン夫人の後任である。

 

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