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経済

2022年8月15日

第2四半期成長率4.4%で確定、通年予想は下方修正

 シンガポール貿易産業省が8月11日発表した2022年第2四半期の実質国内総生産(GDP、確定値)成長率は前年同期比4.4%だった。前四半期の3.8%から加速したものの、7月に発表した速報値の4.8%に比べ0.4ポイント低かった。貿産省は、世界的なインフレ加速で金融正常化のペースが想定より速く、外需の先行きが以前の見立てより細っているなどとして、22年のGDP成長率予想を従来の3.0〜5.0%から3.0〜4.0%へ下方修正した。
 
 第2四半期の成長率を産業別にみると、製造業は5.7%で前四半期の5.5%を上回った。半導体や輸送機器などが堅調だった一方、化学品やバイオが落ち込んだ。建設業は3.3%で、前四半期の2.4%から加速。官民ともに建設事業が活発化している。サービス業は4.8%で、前四半期を0.1ポイント上回った。サービス業の分野別では宿泊サービス(マイナス5.3%)を除きプラスで、最も伸びが高かったのは食品・飲料サービスの28.0%。これに不動産が11.7%、小売りが11.5%で続いた。
 
 全体のGDP成長率は季節調整済み前四半期比でマイナス0.2%。速報では横ばいとしていた。産業別では製造業が0.4%、建設業が0.9%のプラスで、サービス業のみマイナスだった。
 
 第2四半期の小売売上高指数は前年同期比10.8%上昇、サービス輸出額は13.2%増で、ともに過去4四半期で最高の伸び。失業率は2.1%で、少なくともこの1年で最低になるなど、状況は好転している。
 
 ただ貿産省は22年のGDP成長率レンジを3.0〜4.0%とし、レンジ上限を下方修正。ウクライナ危機による高インフレやそれに伴う急速な金融正常化、米ドル高に伴うアジアからの外資流出、地政学リスクの高まり、新型コロナの再流行状況などを踏まえ、3ヵ月前の見立てより外需が細るとみて下方修正した。新型コロナ関連規制の緩和により外国人来訪者数は1年前より5割増えている一方、化学品や燃料などの輸出は想定より弱まるとみている。

 

(提供:亜州ビジネスASEAN

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