シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPMAS、シンガポールドル高で74億Sドルの損失計上

金融

2022年7月20日

MAS、シンガポールドル高で74億Sドルの損失計上

 シンガポール通貨庁(MAS)は昨年度、外貨準備の運用益の減少とシンガポールドルの高騰により、74億Sドル(約7,319億円)の損失を計上した。
 
 MASのラヴィ・メノン専務理事は7月19日、シンガポールの外貨準備の運用益が40億Sドル(約3,956億円)に上ったと発表した。しかし、シンガポールドルの上昇と利払い費用の増加がこれを上回った。
 
 シンガポールドル高の影響により、87億Sドル(約8,605億円)の為替換算上のマイナスが生じた。国内金融市場業務に係る支払利息の増加などにより、支出総額は28億Sドル(約2,769億円)に増加。
 
 この結果、MASは2013年3月期以来の74億Sドルの損失を計上した。この損失により、MASは今年度、政府の連結基金への拠出や政府への利益還元を行わない予定という。
 
 インフレ率の上昇を受け、MASは1月と7月のオフサイクルでの2回の金融引き締めを含め、過去9ヵ月で4回の金融引き締めを実施した。
 
 他の中央銀行とは異なり、金利を調整するのではなく、シンガポールドルの為替レートを管理している。
 
 インフレ圧力が高まると、MASは貿易加重為替レートがより速く上昇するようにする、とメノン氏は言う。これは、輸入インフレを抑え、輸出需要を抑制するのに役立つ。
 
 シンガポールドルは、英国ポンドに対して4%、ユーロに対して5%、日本円に対して9%それぞれ強含みした。
 

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