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社会

2022年6月9日

シンガポールは駐在員にとって最も物価の高い都市の13位、香港はトップを維持

 シンガポールは、ECAインターナショナルが発表した最新の生活費調査の結果によるとインフレ率の上昇にもかかわらず、海外駐在員にとって世界で13番目に物価の高い都市にとどまり、香港は2年連続、世界で最も物価の高い都市となった。
 
 ECAインターナショナルは、3月と9月の2回、120の国と地域の207都市を対象に調査を実施している。
 
 このデータは、企業が海外赴任する従業員に支給する手当の額を決定するための情報を提供するもので、最新の調査によると、過去1年間に物価が大幅に上昇し、特に住宅家賃、光熱費、ガソリン価格が上昇したにもかかわらず、シンガポールのランキングは2022年に横ばいとなった。
 
 ECAインターナショナルのアジア地域ディレクターであるリー・クエーン氏は、シンガポールでは5%という「平均より高い」インフレにもかかわらず、シンガポールドルが中国人民元や米ドルなど他の地域通貨に対して弱くなったため、順位が上がらなかったのだと述べている。
 
 シンドル安は、調査期間後半に製造業と輸出が急減速したことが原因だという。シンガポールの4月の総合インフレ率は前年同月比5.4%に達し、宿泊費と民間交通費を除いたコアインフレ率は3.3%と10年ぶりの高さに加速した。
 
 このため、シンガポール通貨庁は4月に半年ぶり3回目の金融引き締めを実施した。これは、輸入主導のインフレに直面し、シンガポールドルを強化することを目的としたものである。
 
 香港の場合、世界的なインフレの高まりは、他の地域や世界的な場所ほど大きな課題となってはいないという。
 
 ECAインターナショナルによると、香港の物価は前年比3%上昇した(ECAによる商品・サービスバスケットによる)。この上昇幅は、香港で一般的に見られるものよりも高いものの、域内および世界の同種の都市の物価よりも低い。それでも香港が世界で最も物価が高いのは、主に香港ドルと米国の通貨とのペッグ制による香港ドル高が原因だとクエーン氏は述べた。
 
 香港は自国通貨を米ドルに固定し、7.75香港ドルから7.76香港ドルという狭い取引帯で取引している。中国本土の多くの都市が引き続き順位を上げ、現在4都市が最も物価の高い15都市に含まれている。
 
 中国の金融都市である上海は、香港、東京に次いでアジアで3番目、世界では8番目に物価の高い場所である。
 
 クエーン氏は、調査期間中に中国の経済が比較的好調だったため、他の主要通貨に対して人民元が高騰し続けたことが上昇の主な理由である。また、中国本土の大半の都市のインフレ率は高いが、それでもアジアの他の地域に比べれば相対的に低いと述べている。
 
 また、同調査によると、ニューヨークは香港に次いで世界で2番目に物価の高い都市で、昨年の4位から上昇した。ロンドンは2021年の5位から4位に、東京は主要通貨に対する円安の影響により5位に後退した。
 
 ECAインターナショナルの生活費調査は、世界490ヵ所以上で駐在員がよく購入する消費財やサービスを比較したものである。また、宿泊施設のデータも含まれており、海外駐在員が通常居住する地域の家賃を410ヵ所以上で比較している。

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