シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP4月のコアインフレ率は3.3%上昇、電気・ガス料金の値上げが影響

経済

2022年5月24日

4月のコアインフレ率は3.3%上昇、電気・ガス料金の値上げが影響

 シンガポールのコアインフレ率(宿泊費と民間交通費を除く)は、電気・ガス、食品・小売のインフレ率上昇を煽り、4月もピークを更新した。
 
 シンガポール通貨庁(MAS)が望ましい指標としているコアインフレ率は、4月に前年比3.3%上昇し、10年ぶりの高水準となった3月の2.9%から上昇した。
 
 MASとシンガポール通商産業省(MTI)は、コアインフレは今後数ヵ月でさらに上昇し、外的インフレ圧力の一部が後退するにつれて年末にかけて緩やかになると予想している。しかし、地政学的ショックやパンデミックショックによるインフレの上振れリスクは依然として残っている。
 
 4月の総合インフレ率(消費者物価指数のヘッドライン)は前年同月比5.4%となり、3月と同水準となった。
 
 MASとMTIは5月23日(月)、インフレ率の持ち直しは、民間輸送機関のインフレ率の緩やかな上昇によって相殺されたと発表した。
 
 4月の民間輸送機関インフレ率は前年同月比18.3%で、3月の21.5%から低下し、自動車価格の上昇幅が縮小したことが主因である。しかし、電気・ガス料金は、3月の17.8%から4月には前年同月比19.7%増となり、電気・ガス料金の値上げ幅が拡大したことが原因である。
 
 また、非調理食品と外食産業がより速いペースで上昇したため、4月の食品インフレは前年同月比4.1%となった。宿泊施設のインフレ率は、住宅賃料の上昇ペースが強まったことに伴い、前年同月比3.9%に上昇した。
 
 MASとMTIは、世界的な商品価格の上昇に加え、ロシア・ウクライナ紛争と地域のパンデミック状況の両方によってサプライチェーンの摩擦が続いているため、外部インフレ圧力は引き続き強いと警告した。
 
 短期的には、地政学的リスクの高まりと逼迫した供給状況によって原油価格は高止まりするとし、食料など他の商品についても、需給のミスマッチや世界的な輸送や地域のサプライチェーンにおけるボトルネックの中で、価格は高止まりすると予想しているという。
 
 通年では、消費者物価上昇率は4.5%から5.5%、コアインフレ率は平均2.5%から3.5%と予測されている。
 

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