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政治

2022年3月16日

安全管理措置(SMMs)の更新内容まとめ

 3月11日、シンガポール保健省(MOH)は、延期していた安全管理措置(SMMs)を5つに集約する合理化施策を3月15日から開始することや、ワクチントラベルレーン利用者等に対する入国後検査の簡素化などについて発表した。
 

最新の国内状況

 シンガポールにおける1日あたりの感染者数は、7日平均で最大18,280人を記録したが、この1週間で16,392人に減少。入院患者数もピーク時の1,726人から1,450人へと減少し始めている。重症化率は、デルタ株の感染拡大時に比べて著しく低い状態が続いており、過去28日間でICUでの治療や酸素補給を必要とした割合はそれぞれ0.04%と0.2%だった。
 
 しかしながら、医療従事者は引き続き重い業務負担に直面している。政府は全ての国民が自己の責任を引き続き果たしていく必要があると強調。COVID-19検査が陽性であった場合は、MOHのヘルスプロトコル1および2に従って自己隔離することが求められる。COVID-19の陽性反応が出た最初の検査から少なくとも72時間以降に、抗原迅速検査(ART)が陰性となり、自己隔離を終了する条件が整うまでは、出勤や社交活動をしてはならない。
 

安全管理措置(SMMs)の合理化促進

 状況の安定化に伴い、政府は2月16日に発表したCOVID-19 SMMルールの合理化を計画的に推進していく。この簡素化は、ルールの緩和ではなく、COVID-19に強靱な国への移行と、より多くの社会・経済活動を安全に再開するために、全ての人がそれぞれの役割をよりよく果たすことを目指すもの。3月15日から、SMM1~5の枠組みに基づき、SMMsが合理化される。
 

グループサイズ

 グループサイズは、濃厚接触者の数に直接影響し、感染拡大の重要な要因となる。そのため、社交の人数制限は最大5人のまま。1世帯あたりの訪問者の上限は、1日あたり最大5人から1回あたり最大5人に変更される。感染は自宅内で発生することが多いため、措置が緩和されたと見なすこともできるが、一般家庭では祝祭期間以外に何組もの来客があるわけではなく、複数の友人グループと会いたい場合は、すでに自宅以外の場所で会うよう定められている。外出先でも自宅でも、複数の友人グループと会うことは引き続き自制する必要がある。
 

マスク着用

 マスク着用は、感染症に対する大きな防御となるため、今後もマスク着用が原則となる。
 

職場における要件

 在宅勤務が可能な従業員のうち、50%までオフィスに戻ることができるという現在の措置を維持し、接触を制限する。ただし、ルール合理化の一環として、一般的なグループサイズとマスク着用が遵守されている限り、職場における社交に関するルールはその他の社交の場と同等となる。また、経済活動の回復に伴い、事業の継続の理由から、従業員の職場間の行き来(cross-deployment)に関する制限が撤廃されるが、雇用主がこれを継続することは構わない。
 

ソーシャルディスタンス

 ソーシャルディスタンスは、今後もすべての人がマスクを着用していない場面では要件とし、マスク着用の場面では推奨される。これは、マスク着用が依然として感染防止の重要な手段であるため。ソーシャルディスタンスが求められる場合、その距離はすべての場面で1メートルに合理化される。しかし、たとえマスクを着用していても、大勢の人が集まることは避けなければならない。そこで、以下のような人数制限が設けられる。
 

人数制限

 イベント人数は、会場の収容人数に応じて設定される。宗教行事、ビジネスイベント、メディア会議、葬儀行事、挙式、結婚披露宴、マスク着用での講習などのイベントに対する特定のイベント人数制限が解除される*。また、マスクやワクチン接種による防護がメインとなるため、ゾーン分け(Zoning)の要件が撤廃される。

 ※自宅以外で行われるイベントを指す。自宅での厳粛な儀式の場合、参列者は最大10人または非居住者5人(どちらか多い方)まで。自宅での葬儀の場合は、最大30人までの参列者という現行のルールが引き続き適用される。

 しかし、より感染リスクの高い1,000人以上の大規模なイベントや場面では、予防措置として50%の人数制限が課される。アトラクション、クルーズ、MICE、大規模な業務系イベント、大規模な舞台芸術会場やスポーツ競技場などがこれにあたる。ショッピングモールや大規模な独立型店舗などの他の場面では、現在の10平方メートル/人という密度制限をもって、最大収容人数50%に相当するものとみなされる。
 
 a 1,000人以下の小規模なイベントであれば、人数制限を受けることなく開催することができる。
 b 1,000人を超える大規模な場面/イベントでマスク着用*の場合、最大収容人数の50%に制限。マスク非着用のイベントは、1メートルのソーシャルディスタンスの要件と一般的なグループサイズに準拠する必要がある。
 

  ※例えば、1,200人のイベントの場合、2,400人収容可能な会場で開催するか、イベント人数を1,000人までに抑える必要がある。1メートルのソーシャルディスタンスとグループサイズの制限が適用されるイベントは、安全管理措置(SMMs)がすでに参加者の分散を確保しているため、50%の人数制限の対象にはならない。(対象となる場面/イベントの一覧

ワクチン接種状況に応じた安全管理措置(VDS)の調整

 3月15日から、ワクチン未接種の12歳以下(2010年以降生まれ)の子どもは、同一世帯でなくても、グループで施設に入ったり、VDSを設けた活動に参加することが可能になる。
 

スポーツの再開

 スポーツをしているときの一過性の接触で感染に至るという明らかな証拠は存在していない。反対に、2年間続いた安全管理措置(SMMs)は、特に若者をはじめとして、人々に対して肉体的、精神的、心理的に大きな影響を与えたことが分かっている。
 
 3月15日から、監督・運営者のいる一部のスポーツ施設(ActiveSG施設やSportSGが承認した民間施設など)で、最大30人のワクチン接種完了者(選手、コーチ、審判などを含む)が団体スポーツを行うことが認められる。文化・地域・青年省(MCCY)は、今後数週間のうちに会場数を順次拡大。スポーツの再開は、パンデミックの状況が安定し改善したとき、健康に良い活動を中心に、いくつかの日常活動を再開できるようにするための継続的な取り組みの一環となる。
 
 スポーツ活動の前後および休憩時間には、一般的なSMMsが適用される。参加者全員がワクチン接種を完了している限り、追加検査の義務は発生しないが、参加者はスポーツ活動に参加する前に自己検査を行い、陽性となった場合や症状がある場合は自宅待機することが強く求められる。参加者は、スポーツ活動の前に健康申告フォームを完了しておく必要がある。
 

ブースター接種要件の拡大

 3月14日から、初期ワクチン接種を完了した12歳から17歳の人でブースター接種の対象となる人は、初期ワクチン接種の最後の接種日から270日間はワクチン接種済みとみなされる。その後、ワクチン接種済みの状態を維持するためにはブースター接種が必要。ブースター接種の対象となる場合は、出来る限り早めの接種が強く推奨される。
 

水際対策の更新

 政府は2月22日に国/地域の分類と水際措置を合理化し、より多くのワクチン接種済み渡航に道を開いてきた。この数週間、輸入感染者数は1日の総感染者数の約1%と非常に低い水準で推移しているが、これは多くの国がすでにオミクロン感染波のピークを過ぎたためだという。
 
 以上のことから、渡航プロトコルをさらに合理化し、3月14日23時59分以降にシンガポールに入国する一般渡航(ワクチントラベルレーン(VTL))およびカテゴリー1の渡航者に対する検査要件が、入国後24時間以内の監督者による立会いの下での自己スワブによる抗原迅速検査(ART)から、入国後24時間以内の監督者なしの自己スワブARTに切り替えられる。渡航者は、シンガポールでの活動を開始する前に、sync.gov.sgを通じて、監督者なしの自己スワブARTの結果を報告する必要がある。
 

提供:在シンガポール日本国大使館

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