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経済

2022年3月11日

21年の投資認可額8割増、過去最高の3千億リンギ

 

 マレーシア投資開発庁(MIDA)は3月8日、2021年の投資認可額が前年比83.1%増の3,065億リンギ(約8兆5,100億円)となり、過去最高を更新したと発表した。世界的に需要が拡大している電子分野の大型案件が相次ぎ、製造業への外国直接投資(FDI)が3.2倍に拡大。国内直接投資(DDI)は落ち込んだものの、全体では大幅増となった。一方、全体の認可件数は4.1%減の4,564件、雇用創出見込みは8.5%減の10万5,012人に縮小した。
 
 投資認可額は、前年に新型コロナウイルス流行の影響で2割ほど落ち込んでいた。21年は各国の景気が回復に向かう中、産業別では6割を占める製造業が2.2倍、サービス業が1.3倍、農鉱業が2.8倍とそろって拡大。業種別では電気・電子が1,480億リンギに上り、認可額全体の5割近くを占めた。
 
 FDIは3.2倍の2,086億リンギと大きく伸びた。国別ではオランダの780億リンギが最多。以下は◆シンガポール=473億リンギ◆中国=313億リンギ◆オーストリア=189億リンギ◆日本=99億リンギ――の順だった。投資先の地域別では、電子産業が集積するペナン州が全体の3割を占め最も多く、これにケダ州が続いた。
 
 大型事業は、◆中国の太陽電池製品大手、東方日昇新能源(ライセンエネルギー)による、太陽電池セルとモジュールの工場建設=投資額422億リンギ、ケダ州◆米半導体大手インテルによる、半導体工場建設=300億リンギ、ペナン州◆オーストリアのプリント回路基板(PCB)メーカー、AT&Sによる、ハイエンドPCBと集積回路(IC)基板の工場建設=投資額85億リンギ、ケダ州◆韓国の銅箔メーカー、SKネクシリスによる、電気自動車(EV)電池向けの銅箔工場建設=42億9,000万リンギ、サバ州◆独半導体大手インフィニオン・テクノロジーズによる、パワー半導体工場建設=32億5,000万リンギ、マラッカ州――などがあった。日系企業では、イビデンの多層PCB事業拡大(投資額8億8,600万リンギ)や、太陽誘電の積層セラミックコンデンサー(MLCC)工場建設(6億8,000万リンギ)が認可された。
 

(提供:亜州ビジネスASEAN

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