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政治

2021年12月23日

ワクチン接種、5歳から11歳までに拡大

 シンガポール教育省(MOE)と幼児育成庁(Early Childhood Development Agency (ECDA))は、保健省(MOH)と協力して、12月27日より年長の子どもから順次、5歳から11歳までの30万人以上の子どもを対象にワクチン接種プログラムを拡大する。このプログラムは、シンガポール国民(SC)、永住者(PR)、および長期パス保有者(LTPH)のすべての子どもが対象。ワクチン接種の予約は12月22日に開始される。
 
 保健科学庁(HSA)は、5歳から11歳までの子どもに使用するファイザーBioNTech/ComirnatyCOVID-19ワクチンの使用を承認した。このワクチンの第3相臨床試験により、ファイザーBioNTech/ComirnatyCOVID-19ワクチンは、この年齢層の子どもに安全かつ有効であることが示されている。COVID-19ワクチン接種に関する専門家委員会(EC19V)は、ワクチン接種のベネフィットがリスクを大幅に上回ると評価。現在、ファイザーBioNTech/ComirnatyCOVID-19ワクチンは、シンガポールで5歳から11歳までの子ども用に承認された唯一のワクチンである。
 
 12月19日現在、12歳から19歳までの人の約94%がワクチン接種を完了している。5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種プログラムの拡大は、子どもとその家族、そしてコミュニティーの安全を守るための、より大きな全国的な取り組みの一部となる。

 

指定された小児科ワクチン接種センター

 年少の子どもへのワクチン接種を促進するため、シンガポール国内にある15の指定小児科ワクチン接種センター(VC)*¹が順次運用を開始。これらのVCには、小児医療の訓練を受けた医療従事者と、子どもへのワクチン接種の訓練を受けたスタッフが配置される(VCの地図)。12月27日から、7つの小児科VCが運用を開始し、2022年1月3日から、さらに7つのセンターが運用を開始する予定。また、教育省(MOE)は、保健省(MOH)と協力して、Punggol/Seng Kang地域を更にカバーするために、Yusof Ishak中学校(YISS)*²内に追加の小児科VCを設置し、1月11日から運用を開始する。
 

※1:Yusof Ishak中学校以外のVCは、大人や既に接種対象となっている12歳以上の子どものワクチン接種センターと併設されているが、安全管理措置の遵守と正確なワクチン接種管理のため、接種者の列などは別になる。
 ※2:Punggolに新設されたYISSキャンパスのMOE小児科VCは、同校のインドアスポーツホール(ISH)に設置される。また、小児科ワクチン接種の経験が豊富な健康増進委員会(HPB)の移動式ワクチン接種チームによるサポートも行われる予定。YISSのISHでのワクチン接種はYISSの他の施設等とは隔離され、YISSの授業やプログラムには影響しない(例:接種者は学校の歩行者用ゲートからISHに直接入ることができる)。

 

ワクチン接種と登録手続きの運用開始

 2009年から2012年までに生まれた子どもから始まり、2013年から2017年までに生まれた子どもへと、年齢層別に広く対象者を募り、順次ワクチン接種の登録手続きを開始する。5歳の誕生日を過ぎた子どもは、予約の上、ワクチン接種が可能となる。(登録手続きの概要)。
 
 さらに、教育省(MOE)の初等教育機関に在籍している子どもへの接種を促進するために*、MOEは、保護者にSMSを通して案内することで予約プロセスの円滑化を図る。

 ※初等教育レベルのマドラサ(イスラム教学校)の生徒は、MOEの初等教育機関とほぼ同様の取り扱いとなる。保護者にはSMSが届く予定。

 

2009年から2012年の間に生まれた子ども

 12月22日(水)から、MOEの初等教育機関に通う4年生から6年生の子ども(すべての初等教育機関レベルの子どもは2022年度のもの)の保護者に、順次、ワクチン接種を予約するための個別リンクがSMSにて送られる。12月27日(月)から、保健省 National Appointment System(NAS)がchild.vaccine.gov.sgに開設され(リンクは12月27日から有効)、9歳から11歳までのすべての子ども(2009年から2012年生まれ*)の保護者を対象に、ワクチン接種の希望者を募集する。登録後3から5業務日以内に保護者に向けてワクチン接種を予約するための個別リンクがSMSにて送られる予定。

 ※この年齢層では、登録申請の手続きをシンプルにするため、9歳になった時ではなく、厳密に生まれた暦年での登録申請を開始する。2022年1月中旬頃までに5歳から11歳までのすべての子どもが登録申請の対象となれば、この9歳問題は解消される見込み。

1年生から3年生のすべての子ども(2022年度)

 2022年1月3日の週から、MOEの初等教育機関に通う1年生から3年生の子ども(2022年度)の保護者に、順次、ワクチン接種を予約するための個別リンクがSMSにて送られる予定。

2013年から2017年に生まれた子ども

  2022年1月10日の週から、5歳以上のすべての子どもの保護者は、NASへの登録手続きを行うことができる。登録後3から5業務日以内に、保護者に向けてワクチン接種を予約するための個別リンクがSMSにて送られる予定。
 

幼児早期介入プログラム(EIPIC)センターに対する特別措置

 特別教育(SPED)学校び、ECDA出資のEIPICセンターの子どものワクチン接種を容易にするため、MOHは2022年1月12日から、対象となるすべてのSPEDおよびEIPICの児童生徒が所属する学校に移動式のワクチン接種チームを派遣する。保護者は、登録申請の際、移動式ワクチン接種チームによる接種か、もしくはNASの小児科ワクチンセンターで接種するかを選択することが可能。SPED学校とEIPICセンターは、これらの児童生徒の保護者に登録方法とガイドラインを共有する。
 
 SPEDスクールやEIPICセンターに通っていない子どもで発達上特別な支援を必要とする子ども、例えば私立の早期介入センターやホームスクールを利用している子どもの保護者は、それぞれの年齢層が登録資格を得た時点で、NASに登録申請をすることができる。

 

親または保護者の同意

 ファイザーBioNTech/ComirnatyCOVID-19 ワクチンの2回接種の予約には、保護者の同意が必要となる。また、5歳から11歳までのすべての子どもはVCでの接種の際に保護者1名が同伴しなければならない。保護者は、確認資料として、子どもの学生証、またはその他の身分証明書(例:出生証明書/パスポート/SingPass)を持参する事が求められる。また、NASで登録申請された方については、署名済み同意書のハードコピー(印刷したもの)またはソフトコピー(データ)をVCに持参する。同意書は、NASに掲載されている。
 
 家族とより広いコミュニティーの安全を守るため、医学的に可能である限り、シンガポールは子供にワクチン接種をすることを強く推奨している。

提供:在シンガポール日本国大使館

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