シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP児童のワクチン接種とブースター接種拡大について

政治

2021年12月14日

児童のワクチン接種とブースター接種拡大について

 12月10日、シンガポール保健省(MOH)は、5歳から11歳までの児童に対するワクチン接種の開始、18歳から29歳に対するブースター接種プログラムの拡大について公表した。関係省庁タスクフォースは、COVID-19ワクチン接種に関する専門家委員会(EC19V)からの5歳から11歳までの児童に対する小児用量ファイザーBioNTech/Comirnaty COVID-19ワクチン使用に関する勧告を受け入れ、ワクチンの配送を受けたのち、このグループへのワクチン接種を年末前に開始するとした。また、12月14日から、18歳から29歳を対象にブースター接種プログラムを拡大する。
 

5歳から11歳までの児童向けワクチン

 12月10日、シンガポール保健科学庁(HSA)は、5歳から11歳までの児童向け小児用量ファイザーBioNTech/Comirnaty COVID-19ワクチンの使用を承認した。これは、HSAがこの年齢層へのシンガポールでの使用を承認した最初のCOVID-19ワクチンとなる。
 
 COVID-19ワクチン接種に関する専門家委員会(EC19V)も、この年齢層への使用を勧告していた。EC19Vは、特にコミュニティーで継続する感染とオミクロン変異株の出現も踏まえ、ファイザーBioNTech/Comirnatyワクチンの5歳から11歳までの児童への小児用量接種によるベネフィットがリスクを上回ると評価。EC19Vは、中度から重度の慢性疾患を有する児童が優先的にワクチン接種することを推奨している。
 
 5歳から11歳までの児童へのファイザーBioNTech/Comirnaty ワクチンの勧告接種量は、12歳以上への接種量の3分の1。つまり、2回の小児用量(各10マイクログラム)を少なくとも21日間隔で接種することになる。
 
 保健省(MOH)は、ファイザーBioNTech社とCOVID-19ワクチンの新しい供給契約を締結し、ワクチンは12月末までに到着する予定。MOHは、教育省(MOE)および幼児育成庁(Early Childhood Development Agency (ECDA))と協力して、この就学年齢層のワクチン接種を展開し、年末前にワクチン接種を開始する。
 

18歳から29歳へ、ブースター接種の拡大

 ワクチンの初期接種は重症化に対して優れた防御力を提供するが、若者でもペースは遅いものの、時間の経過とともに感染に対する防御が弱まるというデータがある。このためEC19Vは、18歳から29歳までの人へのブースターワクチン接種がCOVID-19に対する防御のため有益であると評価。12月14日から、ブースター接種プログラムを18歳から29歳までに拡大する。すべての対象者は、初期ワクチン接種を完了してから5か月後にmRNAワクチンのブースター接種を受けることができるようになる。
 
 対象者には、ブースター接種の予約に関する連絡がなされる。www.vaccine.gov.sgにおける個々人の予約リンクが記載されたSMSが、登録されている携帯電話番号に送信され、ワクチン接種センター(Vaccination Centre)または対象のPublic Health Preparedness Clinicでブースター接種を受けることができる。
 

COVID-19レジリエンス向けた集団的取り組み

 シンガポールではこれまでに、対象人口の96%、総人口の87%が接種を完了したか2回のCOVID-19ワクチンを接種。総人口の30%がブースター接種を受けている。
 
 今後数か月の間に世界中に定着する可能性が高いオミクロン変異株の出現も考慮し、シンガポール政府はより多くの人がワクチン接種とブースター接種を受ける必要があると考えている。保健省(MOH)は、ブースター接種対象者のすべての人に、待つことなく、可能な限り速やかに接種することを推奨している。
 
 ブースター接種に際し、2種類のmRNAワクチンは、相互互換的に扱われる(注:初期接種でファイザー、ブースター接種でモデルナ、またはその逆も可)。ブースター接種の資格があるが、SMSを受信していない場合は、どのモデルナ・ワクチン接種センターでも予約なしでブースター接種を受けることができる。

 

提供:在シンガポール日本国大使館

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP児童のワクチン接種とブースター接種拡大について