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政治

2021年11月22日

【最新】規制緩和の詳細と医療状況

 11月20日、シンガポール保健省(MOH)は、COVIDレジリエンスに向けた移行の再開として、規制緩和条件を以下のとおり公表した。
 

社交や飲食店などでの食事人数の拡大

社交のグループ人数の拡大

 11月22日から、社交の人数制限が2人から5人に拡大される。1日1世帯あたり2人の訪問者の上限も、1日1世帯あたり5人の訪問者に拡大。ワクチン未接種者を感染から守るために、可能な限り、ワクチン接種を受けた訪問者のみを受け入れること。ワクチン未接種の場合は、できるだけ注意を払い、活動を減らして在宅することで身を守る必要がある。さらに、ワクチン未接種者や脆弱な高齢者がいる世帯への訪問者は、脆弱な人に無意識のうちにCOVID-19を感染させないよう、訪問前に自己検査をすることが強く求められる。

飲食店でのワクチン接種状況に応じた安全管理措置(VDS)

 ワクチン接種が完了している場合は、同一世帯からでなくても最大5人のグループで飲食店(F&B)での食事が許可される。ワクチン未接種の12歳以下の子供(2009年以降生まれ)は、同一世帯の子供である限り、5人のグループに含めることが可能。以前に発表されたように、12月1日から医学的にワクチン接種ができない人も5人のグループに含めることができる。ただし、そのような人はCOVID-19に感染した場合には重症化しやすいため、引き続き警告するとともに、そのような例外があるからといって注意を怠ってはならない。
 
 ホーカーセンターやコーヒーショップでは、最大5人のグループで食事をすることができるのはVDS入場管理装置が装備されている場所のみとなる。入り口でワクチン接種を確認できる入場管理装置の準備ができている一部のホーカーセンターとコーヒーショップにおいては、11月23日から入場管理を開始し、それ以外の場所でも準備できたところから順次入場管理が開始される。VDS入場管理装置がないホーカーセンターやコーヒーショップでは、食事をすることができるのは現行のワクチン接種完了者2人のグループのみ。ワクチン未接種者が施設内で食事をすることは許可されず、引き続きテイクアウトのみが可能。国家環境庁(NEA)は、ホーカー協会と協議し、タウンカウンシルおよびNEAが任命した運営者と協力して、2021年11月末までに残りのホーカーセンターの入り口でワクチン接種を確認できる入場管理装置を導入する。ホーカーセンターとコーヒーショップの最初のグループに関する詳細はNEAとシンガポール食品庁(SFA)から共有される予定。
 

結婚式・結婚披露宴の規制の緩和

 11月22日から、結婚式と結婚披露宴の安全管理措置(SMMs)が調整され、より多くの活動ができるようになる。これには、新郎新婦が結婚式や結婚披露宴の間マスクを外すこと、追加の予防措置を条件として、結婚披露宴で参加者が歌うことが含まれる。このような活動を実施するために、新郎新婦や結婚パーティー参加者は、会場運営者*の監督下による抗原迅速検査(ART)を受検するか、またはイベントの24時間前までに有効なイベント前検査(PET)を受けておく必要がある。詳細は、社会家庭振興省(MSF)がガイドラインにより発表される。

※イベントが行われる部屋または場所を担当、調整、または管理する者を指す。

VDSの拡大

 安全管理措置(SMMs)がさらに緩和されたとしても、ワクチン接種は国民を保護するための鍵だと政府は強調。12月1日から、国立図書館局(NLB)管理下のすべての図書館とPeople’s Associationの下のコミュニティクラブ/センターでの選択された活動を含む、より多くの設定と活動にVDSが拡大される。ワクチン接種完了者のみの入場に制限することにより、感染のリスクをさらに減らすことができる見込み。

ワクチン非接種者へのVDS措置特例の撤廃

 ワクチン未接種の人は重症化のリスクが高いため、政府は感染を防ぐための取り組みをさらに強化する。現在の規則では、VDSが実施されている場所において、ワクチン未接種者はPETを受検し、陰性の検査結果を示すことで入場することができているが、1月1日から、ワクチン接種の代替としてのPET受検は廃止される。したがって、VDSが実施されている場所に入場できるのは、ワクチン接種完了者、(感染から)回復した人、医学的にワクチン接種ができない人、または12歳以下の子供(会場/イベント毎の上限が適用)のみとなる。

高齢者中心の活動のさらなる再開

  安全管理措置(SMMs)の最新の調整と、People’s AssociationおよびSportSGがこれまでに立ち上げた試験的運用の結果を踏まえ、政府は高齢者中心のより多くの活動を安全な方法で再開するための取り組みに従事。近く、高齢者は健康増進委員会(Health Promotion Board)が提供する運動プログラムなどのアクティブエージングプログラムや、国立シルバーアカデミー(National Silver Academy)の下で他の形態の学習に参加することができるようになる。詳細は近日中に公表される。

VDSを導入した病院および在宅介護施設への対面訪問の再開

 病院や在宅介護施設(ホーム)の脆弱な人を保護し続けると同時に、患者や居住者の精神的健康確保も考慮した結果、11月22日から、VDS関連の対策を強化した上での病院や在宅介護施設への訪問が再開される。このようなVDS対策を厳格に実施することで、感染のリスクを最小限に抑えることができる見込み。
 
 対面訪問は、入院患者/在宅介護者とその訪問者の両方が完全にワクチン接種を完了している場合にのみ許可される。また、医学的にワクチン接種ができない患者/介護者および訪問者の訪問も許可。患者/介護者および、または訪問者がワクチン接種を完了していない場合は、病院および施設の判断により、ケースバイケースで例外的な状況下でのみ訪問が許可される。病院や施設への訪問の詳細については、Annex Bを参照の事。誤解を避けるため、この措置は病院に治療を求める個人には適用されない。
 

支援措置の縮小

 安定化フェーズの終了にあわせて、政府は支援措置を以下のように縮小する。支援措置の総額は9,000万Sドル。これは予想を上回った税収から拠出され、準備金の取り崩しはされない。
 
 ①F&B、小売、映画館、美術館、アートギャラリー、史跡、家族向けエンターテイメント、観光、ジム、フィットネススタジオ、舞台芸術および芸術教育に対するJobs Support Schemeによる支援は、11月22日から12月19日までは10%(詳細)。
 
 ②NEAまたはNEAが任命した運営者が管理するホーカーセンターやマーケットのテナントへの0.5か月の家賃免除。
 
 ③COVID-19 Driver Relief Fundによる給付は、2021年12月*と2022年1月に、タクシーと個人ハイヤーの運転手に対して、それぞれ1台、1日あたり10Sドルと5Sドルとする。

 ※12月分については、以前に発表された1台、1日あたり5Sドルの給付から増加。

 

ブースター接種プログラムの加速

 ブースター接種は、感染や重症化に対する防御を高め、ワクチンによる防護力の低下を防ぐことが分かっている。現在、COVID-19ワクチン接種に関する専門家委員会(EC19V)からの以前の勧告に基づいて、30から59歳の場合は2回目の接種から6か月後、60歳以上の場合は2回目の接種から5か月後にブースター接種を実施。EC19Vは、さらに国内外のデータを研究した。2回目の接種後約6か月までに抗体が確実に減少すること、高齢のグループではより早く減少することが明らかになっていることから、ブースター接種の対象となるすべての年齢層について、抗体の低下を予防するために適切な間隔として、間隔を一律に5か月とすることが推奨されるという。
 
 対象者は、初期接種(通常は2回のmRNAワクチン接種)の完了後5か月後からブースター接種を受けることができるようになり、その前にSMSによる案内が送信される。これにより、免疫の大幅に低下を防ぐため適切な時期に接種を受けることを可能としつつ、いつブースター接種を受けるかを柔軟に決めることができることができるようになる。高いレベルの防護を得るため、政府はブースター接種を受ける事を全ての対象者に推奨している。これまでの基準に基づいて適格であるが(30歳以上、COVID-19感染のリスクが高い職場の労働者など)、SMSの案内を受け取っていない場合は、すべてのモデルナ・ワクチン・センターにて予約なしでブースター接種を受けることができる。
 

COVID-19と医療の状況

 シンガポールにおける先週の対先々週感染者比率は、約0.8%から1.0%で安定している。1日あたりの新規感染者数は平均して3,000人未満に減少。感染者のうち、99%近くは引き続き軽症または無症状で、大多数は自宅で順調に回復している。
 
 過去28日間で、酸素吸入が必要な患者の割合は全症例の0.8%で安定しており、集中治療室(ICU)での治療が必要な患者の割合は0.2%だった。ICUの感染者数は依然として多いが、過去1週間は1日あたり約120人で安定している。先週のICU病床の占有率は約60%。ICUと入院を必要とする患者は、依然としてワクチン未接種者に偏った形で占められているという。
 

提供:在シンガポール日本国大使館

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