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政治

2021年6月24日

すべての渡航者のSHNを14日間へ短縮

 6月23日、シンガポール保健省(MOH)はすべての渡航者の専用の施設でのStay-Home Notice(SHN)期間を14日間に短縮すると公表した。過去1か月間の最新のエビデンスに基いて、6月23日23:59から、高リスク国・地域から到着するすべての渡航者は、これまでの21日間に代わり、専用のSHN施設で14日間、SHNの対象となる。
 

リスク管理のための水際措置更新

 2021年4月下旬の時点では、懸念される新たな変異株に関して,その潜伏期間を含めほとんど知られていなかった。そのため予防措置として、高リスク国・地域への渡航歴がある渡航者*は21日間のSHNを義務とし、以降、シンガポール政府は世界各国のエビデンスと症例データを検証してきた。

 ※オーストラリア、ブルネイ・ダルサラーム、香港、マカオ、中国本土、およびニュージーランドを除くすべての国・地域を指す(2021年6月23日時点)。

 
 懸念される新たな変異株は感染力が高い一方で、国内外のデータから、これらの変異株がより長い潜伏期間を持つというエビデンスはないということが判明。5月8日に高リスク国・地域への渡航歴のあるすべての渡航者に21日間のSHNを導入して以降、該当する渡航者のうち270件の輸入症例があった(6月22日現在)が、いずれも潜伏期間は14日内に収まっていた。この結果を受けて、SHN期間が21日から14日に短縮されることとなった。
 
 しかしながら、新たな変異株の感染率は高く、感染の可能性がある症例を早期に特定し、感染した渡航者に適切な医療を可及的速やかに提供するために、渡航者はSHN期間中、シンガポール到着後の3、7、11日目に抗原迅速検査(ART)自己検査キットでの検査が必要(専用のSHN施設でSHNを受ける渡航者は、シンガポールに到着後、専用施設でART自己検査キットを受け取る)。これはシンガポールに到着時と到着後14日目のSHN終了前に受検するPCR検査に加えて実施される。
 

SHN変更まとめ

 ①6月23日23:59より、シンガポール到着前21日間に高リスク国・地域への渡航歴を持つすべての渡航者は、専用のSHN施設で14日間のSHNを行う必要がある(現在SHN中の渡航者でこの変更によって何らかの影響を受ける場合は、専用施設チェックアウトの手配について個別に通知予定)。渡航者は到着時*及びシンガポール到着後14日目にPCR検査を受ける。シンガポール到着後14日目のPCR検査で陰性の結果が出た場合のみ、SHNを終了することが可能。実際のチェックアウト時間は、施設ごとのチェックアウト人数に応じて異なる。SHN中の渡航者にはSDF(SHN専用施設)からチェックアウトの時間が通知される。

 ※空港でのPCR検査を迅速に行うために、渡航者はシンガポールに渡航する前にhttps://safetravel.changiairport.com/で到着時PCR検査の登録と支払いをすることが推奨される。

 
 ②シンガポール到着前21日間に台湾とイスラエルに滞在した渡航者については、これまでは専用のSHN施設で14日間のSHNを受け、自宅でさらに7日間のSHNを受けることとなっていたが、6月23日23:59からは、次の基準を満たしている場合、到着前に専用のSHN施設でのSHNの免除と自宅等での14日間のSHNを申請することができる。
  
 i)シンガポール入国前の過去21日間に、台湾とイスラエル以外の国・地域に渡航したことがないこと。
 ii)居住場所(自宅住所)に単独で、または住居を同じくする世帯員全員が同一の渡航歴でかつ同一期間のSHNを受ける場合。
 
 ③これらの変更によって影響を受ける渡航者のため、払い戻しの詳細が検討されており、別途案内される予定。
 
 ④到着時のPCR検査と14日目のPCR検査に加えて、専用のSHN施設でSHNを受けるすべての渡航者は、到着後3、7、11日目にART自己検査を行う。6月27日23:59以降に到着する渡航者が対象。
 

その他

 高リスク国・地域から新たに到着した外国人労働者で、ドミトリーに滞在するか、建設、海事、プロセス(石油化学プラント)部門に従事する者(ワークパーミット及びSパス保持者)の場合は、専用のSHN施設での14日間のSHN終了後、更に7日間、外国人労働者受け入れセンター(Migrant Worker Onboarding Centre(MWOC))または専用施設に7日間滞在する必要がある。今年初めから実施されているこの追加の7日間の滞在では、必要に応じて、追加の検査、健康診断、および適応プログラム(SIP)が行われる。この予防措置は、輸入症例からドミトリーや職場への感染拡大に繋がるいかなる小さなリスクも最小限に止め、大きなクラスターの発生を防ぐためのもので、また今後の新型コロナウィルスの感染状況に応じて定期的に見直される予定。
 
 高リスク国からの入国者のうち、シンガポール港で運航している港湾船で働くために長期滞在許可を得てシンガポールに入国する新規乗組員は、港湾船での作業を開始する前に14日間のSHN終了後、専用施設でさらに7日間滞在し検査を受ける必要がある。これは、港湾船がサプライチェーンをサポートするための重要な海事サービスであることを考慮した予防措置である。
 

ワクチン名称の変更

 現在、シンガポールの国内予防接種プログラムで使用されているファイザー・ビオンテック・ワクチンは、ヨーロッパのさまざまな場所で製造され、さまざまな市場で当局の承認に従ってラベルが付けられている。ワクチンの供給を加速させるため、シンガポールは”ComirnatyTM “の名称が付されたワクチンを受け入れることとした。このワクチンは、シンガポールのワクチン接種プログラムで使用されているファイザー・ビオンテック・ワクチンと同じもので、研究名は両者ともBNT162b2。ファイザー・ビオンテック・ワクチンと同じプロセスと手順に従って製造され、同じ最終製品仕様を満たす。また同じくヨーロッパで製造され、シンガポールに直接出荷されており、違いはラベルだけ。
 
シンガポール保健省(MOH)は、ファイザー・ビオンテックまたはComirnatyTMワクチンを受けた方、または受ける予定の方のHealthHubの記録について、接種ワクチンの種類を「ファイザー・ビオンテック/ComirnatyTM」として反映させる予定。
 

提供:在シンガポール日本大使館

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