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政治

2021年5月20日

40~44歳へのワクチン接種開始、接種間隔を延長

 5月18日、シンガポール保健省(MOH)は、新型コロナウイルス・ワクチン接種プログラム進捗状況及び、マスクに関するガイドラインの更新等を概要以下の通り公表した。

 

ワクチン接種の現状

 シンガポールにおけるワクチン接種プログラムはこれまで順調に進んでいる。5月17日現在、340万回を越えるワクチン接種を実施。200万人近くが少なくとも1回目の接種を受けている。そのうち140万人以上が2回目の接種を受け、ワクチンの接種を完了している。
 
 全体として接種率は良好で、現在までに60歳以上の高齢者の約71%、45歳から59歳の対象者の約66%が新型コロナウイルス・ワクチンの接種を完了したか、接種の予約をしている。
 

40~44歳へのワクチン接種開始

 5月19日(水)より、40歳から44歳を対象としたワクチン接種の登録が開始。ワクチンは着実に入荷している一方で、世界的な需要の逼迫を受け、依然として供給が限定されている。シンガポールにおける今後のワクチン接種プログラムは5歳刻みでの展開とし、今回の40~44歳の接種を開始し次第、順次更なる若年層に移行していく予定。

 
 対象者はvaccine.gov.sgからオンラインでのみ登録が可能。登録後、確認のSMSが届く。またそれとは別に、個別に予防接種予約のためのリンクがSMSで登録順に対象者に送られる。この予約用SMSは、登録から1~2週間以内に届く予定。予約枠は6月中旬まで。すでに登録済みの場合、再度登録する必要はない。ワクチン接種の予約枠は、ワクチンの入荷状況に合わせて増える見通し。供給が予定通り実施されれば、年末までに接種プログラムを完了できるという。
 

ワクチンの接種間隔を6~8週間に延長

 より多くの国民を守るために、シンガポール政府はより多くの人にワクチンの初回接種を優先的に行い、接種プログラムを迅速化していく。ワクチンの供給に限りがあることから、1回目と2回目の接種の間隔を、これまでの3~4週間から6~8週間に延長することとした。これは5月19日(水)以降に登録されるワクチン接種に適用される。すでに2回目の接種の予約をしている場合、影響はない。
 
 この方針はワクチンに関する専門委員会との協議を経て採用された。同委員会は、治験および実際の接種により世界的に得られた科学的データを検証。ワクチンの普及を促進するため、mRNAワクチンの接種間隔を最大8週間まで延長可能であると結論付けた。また、ワクチンを2回接種すれば、最終的なワクチン効果に大きな影響はないと考えられている。
 
 この結論は当初の治験データに基づくものであるが、最近では実際の接種データ、研究、シミュレーションなどでも新たに実証されている。1回目のワクチン接種を優先するという考え方は、イギリスやドイツなども採用している。
 

ファイザー製ワクチン、12歳~15歳までの接種を承認

 12歳~15歳のワクチン接種に関して、Health Sciences Authority (HSA)はファイザー・ビオンテックのワクチンの使用を承認した。この年齢層に対して、シンガポールで承認されたワクチンはファイザーが初めてとなる。
 
 専門委員会はワクチンの安全性、有効性、副反応、およびこの年齢層を対象とした治験の研究デザインについて考慮。データにおいて、ファイザー・ビオンテックのワクチンは、成人で観察されたものと同様の高い有効性を示した。またその安全性プロファイルは、成人における一般的な安全性プロファイルや、他の疾患の予防接種に使用される他の登録済みワクチンに設定された基準と一致している。
 
 シンガポール保健省は、教育省と協力してこの就学年齢層へのワクチン接種を行い、順次最新情報を提供していく予定。
 

外出が難しい対象者へのワクチン接種促進

 ワクチン接種会場に足を運ぶことができない在宅者も予防接種を受けることが出来るようにするため、シンガポール政府は医師と看護師を含む在宅予防接種チームを派遣。自宅での予防接種を実施すべく、Health Promotion BoardやAgency for Integrated Careと協力していく。
 
 在宅医療、看護、個人支援サービスを受けている在宅者は、現在利用しているホームケア・サービス提供者から、このサービスによる予防接種を希望するかどうかを確認される。連絡を受けていない場合は、現在利用しているホームケア・サービス提供者に直接登録することができる。現在ホームケア・サービスを受けていない場合は、MOHのホットライン1800-333-9999でサービスの利用希望を伝えることが可能。
 
 現時点で、予防接種センターはシンガポール全域で合計40に拡大しており、さらに20のポリクリニックと22のPHPCでも予防接種を実施している。すべての予防接種センターは車椅子に対応しており、足の不自由な人でもアクセス可能だ。
 

マスクに関するガイドラインの更新

 マスク使用は、飛沫の飛散や感染を防ぐための重要な公衆衛生戦略の1つである。高濾過率マスクなどの高性能マスクを使用することで、感染リスクを軽減することができるため、シンガポール政府は全ての国民がそのようなマスクを使用することが望ましいとした(2層以上の生地で作られた再利用可能なマスクや、サージカルマスクなど)。
 
 使い捨てマスクは通常、製品仕様の一部としてフィルター性能が表示されている。People’s AssociationやTemasek Foundationが配布した再利用可能なマスクも、高いフィルター性能を持っている。MOHとHSAは、良いマスクを選ぶためのガイドラインを作成する予定。
 


 
 コミュニティ内の症例が引き続き増加していることから、シンガポール政府は国民全員が自宅に留まり、必要不可欠な場合のみ外出することを強く推奨している。
 

提供:在シンガポール日本大使館

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