シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP過去最大規模の投資詐欺容疑、会社役員を起訴

社会

2021年3月23日

過去最大規模の投資詐欺容疑、会社役員を起訴

 シンガポールのエンビー・アセット・マネジメントおよびエンビー・グローバル・トレーディング取締役の男が22日、投資詐欺容疑で起訴された。ニッケル売買をうたった投資話で、投資された額は10億Sドル(約811億円)超。シンガポール最大規模の金融詐欺事件だ。
 
 起訴されたのはン・ユージ(33)で、4件の詐欺容疑に問われた。起訴状によると、エンビー・アセットは、豪州ポセイドン・ネッケルからニッケルを購入するとの投資話をでっちあげ、18年1月から20年3月にかけ投資家から資金を集めた。
 
 エンビー・グローバルは20年4月から7月にかけ、ニッケルをBNPパリバに売却した受取勘定への出資を募り投資家から資金を集めた。この取引は存在しない。
 
 2件の投資の満期は3カ月で、約束した利回りは15%。多くの投資家が満期に契約を更新し、利子を加え再投資した。
 
 ン被告はまた、エンビジョン・ウェルス・マネジメントおよび同社の最高経営責任者からも金をだまし取ったという。投資話で集めた金は10億Sドル余りで、7億Sドル(約567億円)は出資者への支払いに充当され、3億Sドル(約243億円)は被告の個人口座に移転された。2億Sドル(約162億円)が使途不明。
 
 被告には中国出身のパートナーがおり(現在帰国中)、シンガポール在留中、複数の高級車を被告から与えられた。
 
 被告の保釈金は150万Sドル(約1億2,160万円)。居場所特定のため電子タグを装着する。

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