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経済

2021年3月9日

石油貿易ヒン・リョンの命運尽きる、清算が決定

 石油貿易でのし上がったヒン・リョンの清算が決まり、企業再生の望みは絶たれた。会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が起こした訴訟の8日の審理で、高等裁判所のカナン・ラメシュ裁判官は、更生管財手続きで管財人だったPwCの職員2人を清算人に指名した。更生管財手続きは事業の更生を図る制度。
 
 管財人はヒン・リョンと子会社オーシャン・シッピングおよびヒン・リョン創業者リム・ウーンクイン氏(通称OKリム)の所有企業をまとめて売却する計画を立て、買い手を募集したが、応募した3社とも買収を断念したため清算が決まった。
 
 ヒン・リョンなど同3社の資産価値は推定2億5,700万米ドル(約280億円)。清算の手続きを経ると資産は処分特売されることが多い。
 
 ヒン・リョンはアジアでも屈指の石油取引業者になったが、昨年の原油価格の下落で債務不履行に陥り、さらに不正経理による隠し損失も明らかになった。
 
 昨年8月の提訴でPwCはリム氏と2人の子どもに35億米ドル(約3,822億円)の債務の返済と、自身に支払った配当(9,000万Sドル/約72億円)の返還を求めた。3人は債務超過を知りながら配当を行ったという。
 
 ヒン・リョン最大の債権者はHSBCで6億米ドル。次いで中国銀行。DBS、OCBC、ABNアムロもそれぞれ2億~3億米ドルの貸付債権がある。

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