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社会

2021年3月4日

新型コロナウイルス禍による行動制限、高齢者の幸福度が低下

 新型コロナウイルス感染状況の悪化に伴う昨年の行動制限で、高齢者の生活満足度が低下したことが、シンガポール経営大学付属幸福な加齢調査センター(Rosa)の月次調査から分かった。
 
 調査には55歳から74歳の国民とその配偶者、計7,500人が回答した。「今の生活に満足している」との回答は昨年1月の53%に対し同年4月は46%へ、「自身の経済状態に満足している」との回答は41%から36%へ低下した。
 
 医者の診断を受けた者は同期間、31%減少した。この結果、医療費の自己負担は23%減少した。
 
 一人住まいの回答者は孤独感を強めており、幸福度がほかの人より低かった。一人住まいでも友人や家族とオンラインで連絡を取り合っていた人、社会的活動に参加していた人は孤独感が低かった。
 
 経済・社会活動を制限するサーキットブレーカーが解除されたのは6月1日で、活動規制が緩和された後は、経済状態に満足しているとの回答率が上がった。しかしパンデミック以前の水準には届かなかった。
 
 Rosaのストローガン所長は、満足度が低いこうした高齢者に対してはボランティアによる支援など継続的支えが必要と述べた。また独居老人の幸福を確保するための政策も重要だとした。

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