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金融

2021年2月26日

大手銀行の決算出そろう、ウイルス禍の影響でいずれも減益

 シンガポール大手地場銀行の12月通期決算が出そろった。新型コロナウイルスによる経済活動の制限を受け、いずれも減益だった。
 
 最大手の政府系DBSグループの純利益は前期比26%減の47億2,000万Sドル(約3,773億円)、収入は横ばいの146億Sドル(約1兆円)だった。貸倒引当金を30億7,000万Sドル(約2,454億円)と3倍に増やしたのが特に影響した。引当金を除外すると純利益は84億3,000万Sドル(約6,740億円)と過去最高になる。
 
 大華銀行(UOB)の純利益は33%減の29億Sドル(約2,318億円)で、金利低下による金利収入の減少と引当金の増額が響いた。
 
 OCBCの純利益は26%減の35億9,000万Sドル(約2,870億円)で、これも金利収入減、引当金増が影響した。
 
 DBSの貸付残高のうち1%強が、政府措置で講じられた返済猶予対象の融資で、3行のうち最も比率が低い。返済猶予対象の住宅ローン残高は50億Sドル(約3,997億円)で、猶予延長の申請があったのは10%。中小企業では顧客の25%が返済猶予の対象だ。
 
 OCBCでは1月末の時点で貸付残高の2%(昨年末は4%)が返済猶予対象のローンで、UOBでは貸付残高の6%(同9%)が猶予対象と、信用リスクは減少傾向にある。
 
 直近の第4四半期決算では、純利益はDBSが前年同期比33%減の10億Sドル(約799億円)、OCBCが9%減の11億Sドル(約879億円)余り、UOBが32%減の6億8,800万Sドル(約549億円)だった。

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