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政治

2021年2月2日

トレーストゥギャザーで得た情報、捜査利用を制限する法案上程

 シンガポール政府は1日、感染者接触アプリ「トレーストゥギャザー」で得た情報の利用に関し、改正Covid-19(暫定措置)法案を国会に提出した。トレーストゥギャザーから得られた個人情報を警察が利用する場合、重大犯罪に限定するとの政府公約を果たすためだ。
 
 政府は先に、トレーストゥギャザーで得られた情報は接触者追跡にのみ利用するとしていたが、後の段階で、刑事訴訟法に基づき警察に情報利用の権利があることが判明したとし、法改正を通じ利用目的を制限する方針を示していた。
 
 刑事訴訟法では、警察は刑事捜査目的に、シンガポール法が及ぶ場所で得られた情報を利用できると規定している。
 
 同法案で規定された感染者接触追跡システムは、トレーストゥギャザー、セーフエントリー、ブルーパスの3つ。ブルーパスは建設、造船、石化・化学・製薬部門の労働者が利用する、民間企業開発の装置で、トレーストゥギャザーと互換性がある。
 
 警察は、▽腐食性物質・爆発物の所持・使用▽テロにかかわる行為▽他人に重症、死亡を負わせる犯罪▽麻薬密売▽監禁からの逃亡▽誘拐・人質をとる行為▽レイプなど性的暴行――の7件について、トレーストゥギャザーを通じ得た情報を捜査、刑事訴訟手続きに利用できる。
 
 法案は緊急を要する事案のため現在の会期中に採決が行われる。

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