シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPケッペル通期は5億ドルの赤字、リグビジネスから事実上撤退

経済

2021年1月29日

ケッペル通期は5億ドルの赤字、リグビジネスから事実上撤退

 【シンガポール】世界最大のリグ(油井掘削装置)建造会社を持つ政府系ケッペル・コーポレーションは28日の決算発表会見で、リグビジネスから事実上撤退し、風力、ソーラーファーム、天然ガスなどクリーンエネルギーに軸足を移すと発表した。
 
 リグを手掛けているのはケッペル・オフショア・アンド・マリーン(ケッペルO&M)で、昨年度決算は過去最大となる11.9億Sドル(約934億円)の赤字を計上した。
 
 ケッペルO&Mの社員数は1万500人で、大幅削減する。修理など低付加価値業務から徐々に手を引き、利益率の高い、高付加価値業務にシフトする。
 
 組織再編では、暫定組織として完成済みリグを所有するリグ社と、建造中のリグを所有するデベロップメント社を設け、リグを契約先に引き渡すか売却する。再編の中心になるのが運営会社で、リグ以外の資産を所有し、エネルギー、インフラ関連事業を推進する。
 
 別のリグ建造大手、セムコープ・マリーンは昨年、親会社のセムコープ・インダストリーズから分離されている。
 
 ケッペルの下半期決算は純利益が前年同期比91%減の3,130万Sドル(約24億円)で、通年では5億Sドル(約392億円)の赤字だった。アジア通貨危機以来の損失額で、オフショア・海洋部門の減損処理(約9億Sドル)が響いた。リグ不振は原油価格の下落が理由で、新規の油田開発が行われなくなり、受注が激減した。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPケッペル通期は5億ドルの赤字、リグビジネスから事実上撤退