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社会

2021年1月18日

外国生まれの妻の世帯、収入が少なく家庭内紛争が多い=調査

 【シンガポール】夫がシンガポール生まれで妻が外国生まれの家庭は世帯員1人当たり所得がほかのタイプの家庭と比べ少なく、家庭内紛争は最も多いことが、シンガポール国立大学家族・人口研究センターのジーン・ヨン所長の調査で分かった。
 
 夫婦の一方が外国生まれの家庭に対する詳しい調査は初めて。結婚当事者の双方、または片方が市民の婚姻届けのうち37%が国際結婚だった(19年統計)。ヨン所長は学生の助けを借り18年から19年にかけ、6歳かそれ以下の子どもがいる家庭の妻3,121人を面談調査した。
 
 夫がシンガポール生まれで妻が外国生まれの家庭は18%、夫が外国生まれで妻がシンガポール生まれの家庭は6%、2人ともシンガポール生まれの家庭は57%。残りが2人とも外国生まれの家庭。外国生まれの妻の出身地の上位3カ国は、中国、マレーシア、ベトナム。
 
 夫がシンガポール生まれで妻が外国生まれ家庭の特徴は:
 ●夫の3分の1は学歴が中等教育かそれ以下で、ほかのタイプの家庭より学歴が低い。
 ●世帯構成員当たり平均所得が月1,709Sドル(約13万円)と最少。(夫婦ともシンガポール生まれの家庭は2,611Sドル、夫が外国生まれで妻がシンガポール生まれの家庭は3,062Sドル、2人とも外国生まれの家庭は2,725Sドル。)
 ●妻は男女の性差に関し伝統的価値観をほかのタイプの家庭より強く持っている。
 ●家庭内紛争が最も多い。
 
 ヨン所長によると、収入が少ないと家計の収支をとるのが難しく紛争につながりやすい。外国生まれの妻のうち、結婚から平均8年で永住権を取得したのは55%、市民権を取得したのは26%。しかし17%は長期滞在査証だった。

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