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政治

2021年1月4日

マレーシア・シンガポール高速鉄道計画、取り止めが決定

 マレーシアの首都クアラルンプールとシンガポール西部のジュロン・イーストを1時間半で結ぶ高速鉄道計画の取りやめが決定した。両国は1日午前、首相名の共同声明で、マレーシア側が提案した変更案を協議したが合意に達することができず、事業契約は昨年12月末をもって失効したと発表した。
 
 変更案の内容は明らかにされていないが、シンガポール抜きでの高速鉄道案をマレーシア政府は検討しているとの情報が同国で伝えられていた。契約失効によりマレーシアはシンガポール側に既に発生した費用を弁済しなければならない。
 
 マレーシアがナジブ政権時代の2016年12月に両国は開発契約を締結。しかし18年のマレーシア総選挙で政権交代が起こり、マハティール政権は資金難を理由に事業の延期をシンガポール側に要請した。期限は2020年5月で、マレーシアは同年末までの再延期を要請していた。
 
 18年当時、シンガポール運輸相だったコー・ブンワン氏は、同年5月の時点でシンガポール側に2.5億Sドル(約195億円)の費用がすでに発生していると国会で明らかにした。その後も同年末までに5,200万Sドル(約40億円)の費用が見込まれるとしていた。
 
 工事に備えシンガポール政府は、ターミナル駅建設地とするためジュロンカントリークラブの敷地の一部を接収した。

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