2020年11月27日
昨年縮小の所得格差、今年は拡大の可能性も=財務省報告
シンガポール財務省は26日、行政部門の成果に関する報告書(SPOR)を公表した。昨年の、所得分配の不平等さを示すジニ係数は0.398と0.4を約10年ぶりに下回った。係数が0.4以上だと所得格差が大きいとみなされる。
しかし今年は新型ウイルス感染症の拡大(パンデミック)の影響で所得格差は広がる可能性がある。景気悪化で雇用状況が悪化しギグエコノミー(インターネットを通し単発の仕事を受注する非正規労働)や低所得の労働者への影響が大きいためだ。
一方で、シンガポール社会科学大学エコノミスのテセイラ氏によれば、技術系など高賃金職はリモート作業が可能で、パンデミックの影響を相対的に免れている。
財務省報告は、シンガポール経済の基礎的条件は強固で、パンデミック危機から立ち直り、新たな事業機会をとらえることができるとした。
企業側にも経済転換に向けた好ましい進展が見られ、当面の課題の先を見越し、アジアにおける事業機会をとらえる準備をしている企業もあるという。