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金融

2020年11月19日

インド中央銀行、DBS現法と経営破たんの銀行との合併を提案

 インド中央銀行はシンガポールのDBS銀行に対し、経営が事実上破たんしているラクシュミ・ビラズ銀行(LVB、本店チェンナイ)とDBSの現地法人、DBSインドとの合併を提案した。LVBの救済が目的。DBSは前向きで、現法に対し250億ルピー(約350億円)の資金注入を行う意向だ。
 
 インドの経営コンサルタント会社インスティテューショナル・インベスター・アドバイザー・サービス(IIAS)創業者のアミット・タンドン氏によると、LVBは近代化の遅れた銀行で、経営が悪化しても経営陣は退陣しないという状態だという。
 
 LVBは3年間赤字続きで、インド中銀は昨年9月、不良債権の処理、新たな資本の呼び込みを勧告した。複数の投資家がLVB救済に関心を示したが、話はまとまらなかった。
 
 DBSのインド参入は1994年で、昨年3月に支店を現地法人化した。支店数は30店。LVBの支店数は560店で、全国に970台のATMを設置している。特に南東部タミルナドゥ州で多い。
 
 DBSは合併提案について、南部インドは特にシンガポール企業になじみの地域で、顧客基盤とネットワークを拡大することができると、前向きの姿勢を表明した。アナリストは、LVBの経営再建には数年を要しコストもかかるとコメントした。
 
 インド中銀が国内銀行の救済を外銀に要請したのはおそらく初めて。

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