2020年10月19日
賃金カットを容認、全国賃金審議会が今年2度目の指針
政労使3者の代表で構成するシンガポール全国賃金審議会(NWC)は16日、今年2度目となる賃金指針を発表。解雇を最小限にとどめることを目的とするのであれば賃金カットを容認するとの指針を示した。
NWCの指針に拘束力はないが、政府は受け入れを表明した。会合を年2度開催するのはこれが4回目で、いずれも経済危機が発生した年だった。
賃金が月1,400Sドル(約10万8,000円)までの給与所得者の賃金についてNWCは凍結を勧告した。この額以上の給与所得者については基本給が1,400Sドル以下にならないよう勧告した。
委員で、全国経営者連盟(SNEF)のピーター・シア会長は「ビジネスの先行き見通しは依然厳しいが、労働者を保持することは企業の能力維持を意味し、需要が回復した際には速やかに対応できると経営者は認識している」とコメントした。
NWCは今回、基本給と変動給で構成するフレックス賃金制の採用を改めて経営者側に要請した。平社員の賃金に占める変動給の割合は月次が10%、年次が20%の計30%が望ましく、また中級・上級管理職は変動給の割合を大きくするのが望ましいという。
フレックス賃金制の下で働いている従業員は全体の29.3%(昨年実績)にとどまっている。