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経済

2020年10月15日

マレーシア資本のキッザニア閉鎖、債権者にシンガポール政府機関

 子どもを対象にした、楽しみながら社会のしくみが学べる体験型商業施設キッザニア・シンガポールが清算手続きを開始したが、債権者にシンガポール政府機関が含まれている。
 
 負債総額は5,340万Sドル(約41億円)で、5,000万Sドル分はマレーシア国営投資会社カザナ・ナショナルのレジャー部門子会社テーマ・アトラクション・リゾート・アンド・ホテル(TARH)が債権者。
 
 カザナはキッザニア・シンガポールの運営主体、ラカン・リアンに80%出資する筆頭株主でもある。残りの20%はマレーシア軍人年金ファンドが主要株主のバウステッド・ホールディングスが所有している。
 
 キッザニア・シンガポールは2016年にセントーサ島で開業し、1,500万Sドル(約11億6,000万円)の売り上げがあったが、830万Sドル(約6億円)の赤字だった。その後も赤字続きで経営は改善しなかった。ウイルス禍による行動制限をきっかけに6月、閉鎖を決めた。
 
 債権者に名を連ねるシンガポール政府機関は、政府観光局(STB)、土地を貸していいたセントーサ開発公社、未消化のチケットを持つ教育省。
 
 チケット取扱業のセブ・エアー・トラベル・アンド・ツアーは「ラカン・リアンはカザナ所有企業であり、債権は回収できると思っていた」とした。債務の整理に当たるチームはマレーシアにおり、国境規制のためシンガポール入国が不可能で債権者と会うことができず、債務整理が遅れている。

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