2020年10月14日
新聞発行のSPH、8月期は初の赤字に転落
新聞発行など印刷媒体をほぼ独占する政府系シンガポール・プレス・ホールディングス(SPH)は13日、8月期決算は初の赤字になったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)が経営に影響した。
連結決算の純損益は8,370万Sドル(約65億円)の赤字で、所有するショッピング施設と学生用寄宿舎の評価損(2億3,200万Sドル/約180億円)が赤字の主因。賃金補助など政府から受けた補助額は6,850万Sドル(約53億円)。
営業収入は10%減の8億6,750万Sドル(約672億円)で、営業収支は約1億Sドル(約77億円)の黒字だった。広告収入が減少した。メディア部門の収入も新聞広告の不振で23%減少した。SPHはストレーツ・タイムズ、ビジネス・タイムズ、聯合早報などを発行している。購読者数は9.4%の増加で、デジタル新聞の購読者が52.5%増加した。
不動産部門の収入は豪州ショッピングモールと寄宿舎の買収で増加した。SPHは英国とドイツで計7,723床の寄宿舎を所有している。しかし不動産の評価額は減少し、部門収支は7,580万Sドル(約59億円)の赤字だった。
人員削減、賞与の減額など節約に努めたが、保有不動産を増やしたため経費は6.8%増加した。
1株1セントの期末配当を実施する。中間配当と合わせた通期配当は2.5セントになる。