コロナウイルス後を見据えた成長戦略、ヘン副首相が発表

　シンガポールのヘン・スイーキアット副首相兼財務相は5日国会で、コロナウイルス対策を総括し、コロナ後の成長戦略を明らかにした。あわせて中小企業や個人向け支援措置の延長、縮小も発表した。
 
　ヘン氏は「われわれは極めて重大な経済進展の転機にある。この移行期にどう対応するかで、コロナウイルス禍が利益をもたらすか不利益をもたらすかが決まる」と語った。
 
　ヘン氏が発表した支援措置の延長、調整は発表済みの補正予算内の措置で、別に追加の補正予算案を追って国会に提出する。
 
　コロナ後の経済成長への備えについてヘン氏は、必須の食品や医薬品を国内生産し、エネルギー効率の高い技術へ投資し、地球温暖化対策における新たなビジネス機会を模索する必要があると述べた。国内経済の強靭さ、持続可能性を増す戦略だという。
 
　マスクや試薬など必須品を生産することで国内供給だけなく輸出も可能になる。環境面では低炭素が今後の鍵で、企業には省エネ・省資源型技術への投資を優遇措置で奨励する。
 
　経済対策の延長・調整では、内資企業の現金収支を支援するためのつなぎ融資計画を、支援水準を引き下げたうえで来年9月まで6カ月延長する。
 
　ウイルス禍で最も影響を受けた分野の企業を支援するための、訓練・研修補助計画も来年6月まで6カ月間延長し、空運、観光、小売り以外に海洋・オフショアも対象に加える。
 
　雇用拡大では障害のある人を9月から来年2月までに雇用した企業に賃金の50％を補助する。