2020年10月2日
ワイヤーカードが決済サービス停止、一部で混乱も
独オンライン決済業者のワイヤーカードは1日、決済サービスを停止した。ワイヤーカードはシンガポール金融管理庁(MAS)から、14日までのサービス停止を命令されていたが、ほかの決済サービスに乗り換えていない商業者もあり、混乱が生じた。
ワイヤーカードはブラウン前最高経営責任者(CEO)らが決算を粉飾していた容疑に問われ独当局に逮捕されており、会社としても破産手続きを申請している。
ワイヤーカードのサービスを利用していた、豚骨火山ラーメンなどを展開するサンパーク・シンガポールのアリエル・リー取締役によると、ワイヤーカードがサービスを提供できなくなるという確定情報がなかったため決済サービス業者を変更しなかった。ほかの業者を利用すると手数料が0.5~1ポイント高くなるという。
ワイヤーカードはシンガポールでは、ビザ、マスターカードと加盟店との間を取り持つアクワイアラーとして活動し、加盟店への支払い代行、プリペイドカード発行支援などに携わっていた。
顧客にはタクシー最大手のコンフォートデルグロや保険の労組系NTUCインカムが含まれるが、両社ともすでにほかの決済サービスを利用している。