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社会

2020年9月22日

ロボットでPCR検査用細胞採取、安全で検査時間も短縮

 新型コロナウイルスCovid-19検査のための細胞採取を自動的に行うロボットが臨床医学研究者により開発された。安全度が高く、人の手による細胞採取より不快感が少ないという。
 
 ロボットの名称は「スワボット」。同様のロボットは外国で既に開発されているが、スワボットは患者が採取プロセスをコントロールできる初のロボットで、不快感が少ないのが特徴だという。
 
 縦横35、40cm、高さ49セcmの装置で、患者はロボットの前に座り綿棒が装着された鼻当てに鼻孔を合わせ、顎で稼働ボタンを押す。鼻当てはわずかに上昇し鼻孔を広げ、綿棒の部分が回転しながら伸び鼻孔の奥まで挿入される。
 
 途中、抵抗を感じると綿棒は引っ込む。また患者は不快を感じた場合、顔を後ろに引くことで採取作業を中断できる。細胞採取にかかる時間は20秒と、手作業の半分。鼻当ては1回ごとに替える。
 
 シンガポール国立がんセンター、シンガポール総合病院(SGH)、デューク・NUS医学校の臨床医が、ロボット製造のバイオボット・サージカルとともに開発した。医療関係者がウイルスにさらされるのを減らすのが開発の狙いだ。
 
 開発チームのダーマワン医師によると、患者は細胞採取プロセスを自身でコントロールできる場合、心の準備ができているため自覚する苦痛の程度が低いという。
 
 スワボットの運用試験に参加した85人全員が、感じた痛みは人の手による採取と同程度か、少なかったと回答した。

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