シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPビタミンDがコロナウイルス対策に有効、医学誌に論文

社会

2020年9月16日

ビタミンDがコロナウイルス対策に有効、医学誌に論文

 免疫強化に役立つビタミンDが新型コロナウイルスCovid-19対策として有効との論文が複数の医学誌に掲載された。サンシャインビタミンとも呼称され、太陽光に含まれる紫外線に皮膚がさらされると生成される。食品では、サケ、サバなど脂肪性の魚と魚類肝臓、牛のレバー、卵黄などに含まれる。
 
 3日付JAMAネットワーク・オープン(米国医学協会が発行する医学ジャーナル)には、シカゴ大学病院の患者489人を調査した結果が掲載された。ビタミンDが不足している患者はCovid-19検査で、不足していない患者より1.77倍、陽性反応が出る率が高かった。ほかの調査でも、ビタミンD不足の人の割合が少ないグループで感染者が少なかった。
 
 研究者は、都市封鎖や感染拡大を防ぐための措置が人を太陽光から遠ざけた可能性を指摘した。
 
 世界5大医学誌の一つ、ランセットにはケンブリッジ大学とクイーン・メアリー・カレッジの研究者が、ビタミンDの摂取を呼び掛ける論文を投稿した。ビタミンDは急性呼吸器感染症の予防に効果のあることが分かっている。
 
 シンガポール総合病院で50歳以上のCovid-19患者43人を調査した結果は科学誌ニュートリションに掲載された。ビタミンDにマグネシウムなどを加えたものを患者に処方すると、酸素吸入、集中治療が必要なケースが減ったという。
 
 2010年にシンガポールで行われた全国健康調査によれば、国民の40%はビタミンDが不足、8%は非常に不足していた。栄養の専門家は、週に2回、腕と足を5~30分、太陽にさらすことを勧めている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPビタミンDがコロナウイルス対策に有効、医学誌に論文