シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPCAG会長のリュー・ムンリョン氏、4組織を「早期退職」

経済

2020年9月11日

CAG会長のリュー・ムンリョン氏、4組織を「早期退職」

 チャンギ・エアポート・グループ(CAG)のリュー・ムンリョン会長(74)は10日、同社、および政府系スルバナ・ジュロン会長、国営投資会社テマセク上級顧問、テマセク財団理事の職を辞すと発表した。同氏によれば「退職の自主的繰り上げ」で、同4組織に迷惑が掛からないようにするためだという。CAGは100%政府所有会社。
 
 リュー家が雇用していたインドネシア人家政婦パルティ・リヤニさんの問題をめぐる混乱が理由で辞任した。パルティさんは2007年から16年までリュー家で働いた。ムンリョン氏の息子のカール氏は16年3月、近くに引っ越したが、ムンリョン氏の妻はパルティさんにカール宅と事務所の清掃を複数回にわたり言いつけた。
 
 契約違反としてパルティさんが不服を表明したところ、10月28日、リュー家は彼女を解雇。パルティさんは2時間で荷物をまとめ家から出るように言われたため、違反労働の件を人材開発省に届け出ると家族に告げた。
 
 パルティさんは荷物をカール氏の負担で送るよう要請、当日帰国した。リュー家は翌日荷物を開封し、家族の所有物があるのを見付けたという。30日、警察に盗難届を出したところ、家族の所有物は自由に使っていいと伝えられた。警察が盗品調査をリュー宅で行ったのは5週間後。
 
 パルティさんは、盗みの容疑者になっていることを知らないまま12月2日、仕事を探すためシンガポールに再入国し、空港で逮捕された。
 
 パルティさんは一審では有罪判決を受けたが、控訴審で高等裁判所のチャン・センオン判事は、契約違反の労働に対する不服をパルティ被告が人材省に申し立てるのを阻止する意図がリュー家にあったとの判断を示し、また盗みの容疑についても無罪を言い渡した。

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