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経済

2020年9月9日

テマセク3月期の投資リターン、マイナスに

 シンガポール国営投資会社テマセク・ホールディングスの3月期決算の投資リターンはマイナス2.28%だった。テマセクの資産は株式が主で、ウイルス禍を理由とする3月の株価下落が影響した。新規投資額は320億Sドル(約2兆4,000億円)、資産売却収入は260億Sドル(約2兆円)だった。
 
 保有資産の総額は3,060億Sドル(約23兆6,500億円)で、前期より2.2%減少した。資産の減少は最近では2014年以来。保有資産の割合は、未上場株が48%と最大。2010年の未上場株の割合は23%で、ヨー・キアットチュアン国際部門上級代表は「先行き値上がりが見込める資産だ」と説明した。
 
 産業部門別では金融への投資比率が23%。デジタル化の波を背景に決済サービス業やノンバンクへの投資を増やした。次いで通信・メディア・テクノロジーへの投資が21%だった。
 
 二酸化炭素排出削減に協力するため、太陽光発電のサンシープ、植物性人工肉のインポッシブル・フーズなどへ追加投資し、カーボンニュートラルを達成した。
 
 運用残高の国・地域別内訳は中国が29%で、初めてシンガポール(24%)を抜いた。前期はシンガポール、中国とも26%だった。中国の資産には、中国に進出したシンガポール企業の株も含まれる。
 
 北米が運用残高の17%、アジア(シンガポールと中国を除く)が13%、欧州が10%を占めた。

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