政治の二極化は回避すべき、国会討議でリー首相

　シンガポールの大統領演説をめぐる国会討議で2日はリー・シェンロン首相が登壇し、90分にわたり演説。政治の二極化をシンガポールは回避しなければならないと訴えた。
 
　与党・人民行動党（PAP）の役割について、国家建設に貢献した組織であり、国が必要とする指導者を供給することを通じ、国を成功に導いたシステムを保持する特別な任務を負っていると強調した。
 
　リー氏は「政治が毒を持ち激烈になり、問題が政治化され、狂信的支持者同士のいさかいで政府が麻痺し、国家が分断し衰微に向かっている国が複数あるが、こうしたことがシンガポールで起これば特別な国であることを停止するだけでなく、国として終わりだ」と述べた。
 
　景気悪化で雇用状況が悪化したため、政府は国民の職を守るため外国人労働者の就労要件を改定したが、リー氏は「シンガポールは外国人を歓迎しないといった間違った印象を与えないよう、注意が肝心だ」と語った。
 
　締めくくりにリー氏は「ウイルス禍は過去にシンガポールが直面した多くの困難同様、大望の踏み台だ。国家としてさらに強固になって危機から脱出する。疑い、恐れは不要だ。チャンギ空港はにぎわいを取り戻す。経済は生まれ変わり繁栄する」と述べた。