シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP7月の工業生産高は8.4%減、バイオ医学が不振

経済

2020年8月27日

7月の工業生産高は8.4%減、バイオ医学が不振

 シンガポール経済開発庁(EDB)が26日発表した7月の製造業生産高は前年同月比8.4%の減少で、6.5%減だった6月より減少幅が大きかった。変動の激しいバイオ医学部門を除いた生産高は5.2%の減少だった。
 
 電子機器部門の生産が1.4%減少した。前年同月の生産高が多かったことによる統計上の反動で、半導体チップの生産は7月としては過去最高水準だった。在宅勤務の増加でデジタル機器・ソリューションの需要が拡大しているためだ。
 
 精密工学部門の生産は9.3%増だった。OCBC銀行のエコノミストによると、半導体生産の増加を背景に、ウエハー生産装置、組み立て・実装機器、検査機器の需要が中国、台湾、韓国で増加したと考えられる。
 
 バイオ医学部門の生産は24.8%の減少だった。ワクチンなど生物製剤の生産減が一因。バークレイズ銀行のエコノミストは「薬剤生産はもはや、新型コロナウイルスCovid-19の恩恵を受けていない」としたが、「注文者の在庫が増えメーカーへの注文が減ったという過渡的現象」(HSBCエコノミスト)との見方もある。
 
 JPモルガンのアナリストは、サービス業はCovid-19禍の影響をもろに受けており、製造業が引き続きシンガポール経済をけん引するとの見解を示した。 

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