第14次国会が開幕、議会史上初めて2カ所で開催

　7月の総選挙を受け、シンガポールでは第14次国会が8月24日開幕した。ハリマ・ヤコブ大統領が開幕演説を行い、政府方針の概要を述べた。今回、議会史上初めて議事堂とアート・ハウスの2カ所で式を行った。ウイルス感染の懸念からソーシャル・ディスタンシングを確保するためだ。
 
　ハリマ大統領は雇用確保を引き続き最優先の取り組み課題とすると強調。新たな就労機会の創出を、特に低賃金労働者、高齢労働者を念頭に推進すると表明した。
 
　富の再配分について、コロナウイルスCovid-19を受け暫定的支援措置が導入されたが、危機後は新たな様式に移行し後戻りはないと述べた。しかし再配分だけが唯一の解決方法ではなく、社会的流動性の強化も必要と述べた。社会的流動性とは社会階層間の変化を意味し、低所得層に属する個人の中所得以上の層への移行が一例。
 
　移民政策について、「シンガポール人としてのアイデンティティーは新たな移民の排除を通じてではなく、次々に来る者が社会を豊かにすることを通じ形成、強化された」と述べた。
 
　各省は大統領演説を補う詳細な施政案を今週、議会に提出する。論戦は31日から。