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経済

2020年8月24日

塗料販売のウットラム、日本ペイントの過半株を取得へ

 日本の塗料最大手、日本ペイントは筆頭株主であるシンガポールのウットラムの傘下に入る。1955年に小さな塗料店を開業したゴー・チェンリャン氏は59年、日本ペイントから塗料販売の誘いを受け、62年に合弁の販売会社を設け、アジア全域で塗料ビジネスを展開。ゴー氏は日本ペイントの株主になり、持ち株比率を高め、今日に至った。
 
 ウットラムは2013年、日本ペイントに対する持ち株比率を14%から45%に引き上げることを提案したが、拒否された。その後、第三者割当増資を通じ出資比率を高め、取締役も送り込んだ。現在、ゴー氏の息子のゴー・ハップジン氏が取締役に名を連ねている。
 
 今回、日本ペイントが実施する第三者割当増資をウットラムが引き受け、持ち株比率を39%から、グループ会社が所有する持ち株と合わせ58.7%にする。
 
 日本ペイントは中国、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、タイにおけるウットラムとの合弁事業とウットラムのインドネシア事業を20億米ドルで買収する。アジアでは住宅、商業施設、自動車、インフラ向けに塗料需要が増加しており、日本ペイントはウットラムのアジア塗料事業を引き継ぐことでアジアでの存在感を高める。
 
 ゴー・チェンリャン氏はシンガポール3番目の富豪で、日本ペイント持ち株が資産(148億米ドル)の多くを占める。

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