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経済

2020年8月11日

投資会社テマセク、ケッペル過半株取得提案を撤回

 シンガポール国営投資会社のテマセク・ホールディングスは、複合企業ケッペル・コーポレーションに対する過半株取得提案を撤回した。株買い取りの前提条件をケッペルが満たせなかったためだ。
 
 テマセクはケッペル発行済み株式の20.45%を保有する筆頭株主。30.55%株式を1株7.35Sドル(約550円)、総額40億8,000万Sドル(約3,155億円)で追加取得し、持ち株比率を51%に引き上げることを提案していた。
 
 しかしケッペルが第2四半期決算で7億Sドル(約541億円)近い損失を計上。四半期の税引き後利益が過去4四半期の平均より20%以上減少しないこと、との買い取りのための前提条件を満たせなかったため、提案撤回を決めた。7日のケッペル株価は5.4Sドル(約417円)。
 
 ケッペル子会社でリグ(油井掘削装置)世界大手のケッペル・オフショア・アンド・マリーンと、同業でライバルのセムコープ・マリーンは経営難にあるため、テマセクは両社の合併を意図している。セムコープ・マリーンが6月に実施した株主割り当てにもテマセクは応じた。
 
 CGS・CIMB証券のアナリスト、リム氏によれば、合併が近々行われる可能性は遠のいた。しかしリグ・造船業の再編は必要とアナリストはみており、KGI証券のアナリストは「いずれにせよテマセクは両社の合併を進める」とコメントした。

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