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経済

2020年8月5日

富士ゼロックス・シンガポール元社長による訴訟、公判開始

 退任を目前に控えた富士ゼロックス・シンガポールのバート・ウォン当時代表(マネジングディレクター)が2017年12月、事前通告なしで解雇された件で、解雇を不当としてウォン氏が起こした訴訟の公判が8月4日、高等裁判所で始まった。
 
 解雇のきっかけは会社に届いた匿名の手紙で、ウォン氏に「汚職、信託違反」があると主張した。これを受け外部監査人(デロイト・トウマツ)により3カ月にわたる調査が行われたが、不正行為の証拠は発見されなかった。しかしウォン氏は解雇され、退職金(約130万Sドル/約1億円)を支給されなかった。訴訟では退職金、手当など計150万Sドル(約1億1,500万円)の損害賠償を請求している。
 
 原告弁護団は、外部監査が行われている間、日本本社の複数の幹部がウォン氏の処置について電子メールでやり取りしていたことを指摘。本社幹部が解雇を画策したと、共同謀議の存在を主張した。
 
 富士ゼロックスは当時、ニュージーランドの販売子会社における不適切な会計処理が露見し、375億円の損失が発生していた。原告弁護団は、グループ全体を通じ断固たる措置をとっていると利害関係者に示すため、会社はウォン氏を解雇したと主張した。
 
 被告弁護団は、ウォン氏は無謀な取引で300万Sドル(約2億3,000万円)近い損害をシンガポール社に与えたと反論。ダイビング機器のリース取引などを証拠として提出した。公判は8日間行われる。

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