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金融

2020年7月31日

銀行貸付残高が4カ月連続で減少、SIAは一段の給与カット

 新型ウイルス禍の経済活動への影響がますます顕著になっている。シンガポール金融管理庁(MAS)によると、6月の銀行の貸付残高は前月比0.7%減の6,803億6,000万Sドル(約51兆円)で、4カ月連続の減少となった。前年同月比では1.1%の減少だった。前年比での減少は2016年以来。企業の動きでは、4~6月期に巨額の赤字を計上したシンガポール航空(SIA)が一層の給与カットに乗り出す。国を代表する企業の一つ、政府系コングロマリットのケッペルも減損処理がたたり第2四半期決算で過去最大の赤字を計上した。
 
 MAS統計によると、6月の貸付残高のうち事業体向けは前月比1.1%減の4,258億5,000万Sドル(約32兆円)で、運輸・倉庫・通信部門向けが8.6%と最大の減少だった。製造、建設、ビジネスサービス向けは1%程度ながら増加した。
 
 個人向け貸付残高は0.1%減の2,545億Sドル(約19兆円)で、証券融資が7.3%減、自動車ローンが2%減だった。住宅ローンは微減の1,995億Sドル(約15兆円)。6月に行動規制が緩和された影響で、クレジットカード残高は2.9%増の94億5,000万Sドル(約7,200億円)だった。
 
 企業の動きでは、SIAは経費抑制のため8月1日付で社員の給与削減幅を大きくする。新たな削減幅は部長級管理職以下の職員が10%、部長級管理職が12%、副社長が25~30%で、ゴー・チューンフォン最高経営責任者(CEO)は35%。早期退職の募集も開始した。地上業務職員とパイロットが対象。
 
 ケッペルの第2四半期連結決算は約7億Sドル(約530億円)の赤字だった。減損処理が9億Sドル(約680億円)余りに上ったためで、造船、リグなどを手掛けるオフショア・海洋部門で多額の減損処理を行った。関連会社が持つ資産の評価損もあった。

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