シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPSIA第1四半期、11億ドルの赤字に

経済

2020年7月30日

SIA第1四半期、11億ドルの赤字に

 シンガポール航空(SIA)は29日、第1四半期(4~6月)の連結決算は11億2,000万Sドル(約855億円)の赤字だったと発表した。四半期ベースで過去最大の赤字だ。売上高は前年同期比79%減の8億5,100万Sドル(約650億円)、経費は52%減の18億9,000万S(約1,400億円)ドルだった。
 
 航空需要は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に各国が講じた旅行規制や入国規制の影響で激減した。SIAとグループのシルクエアー、スクートが輸送した旅客は99.5%減だった。
 
 しかし貨物部門は好調だった。マスクや医薬品、生鮮食品の輸送需要が増加したためで、SIAは旅客機を貨物機に転用し対応した。
 
 国際航空需要はSIAが期待したほど回復しておらず、また国際航空運送協会(IATA)、国際民間航空機関(ICAO)とも、旅客需要がパンデミック前の水準に戻るには2~4年はかかると予想している。
 
 SIAは保有航空機の多くの運航を停止しており、9月末時点の旅客輸送能力をパンデミック前の7%、来年3月末時点の能力を同50%以下と想定している。
 
 株主資本は176億Sドル(約1兆3,400億円)ある。先に実施した株主割り当てで88億Sドル(約6,700億円)を調達した。筆頭株主の国営投資会社テマセク・ホールディングスが割り当てに応じており、政府もSIAを支える方針を表明している。

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