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政治

2020年7月29日

労働者党のプリタム・シン書記長、影の首相に

 先のシンガポール総選挙で躍進した労働者党(WP)のプリタム・シン書記長が野党第一党の党首として「影の首相」に就任する。英議会で採用されている「影の内閣」制度をまねたものだが、シンガポールの憲法にも国会議事規則にも影の首相の規定はない。
 
 しかしリー・シェンロン首相は28日、「選挙結果は、市民が多様な意見を政治に望んでいることを示した。このため影の首相を指名する。影の首相と協力し、国、国民の利益に奉仕する強固で安定した政治システムを構築したい」と説明した。
 
 国会議長事務局、院内総務事務局の共同声明によると、影の首相は閣僚との質疑応答で最初に質問に立つことができ、質問時間もほかの議員より多い。国防、外交上の問題、また危機に際し政府から極秘情報の提供を受ける。議員報酬は通常の2倍の年38万5,000Sドル(約2,935万円)。議事堂内会議室を使用でき、事務秘書は2人(通常は1人)、政策秘書は4人(通常は1人)まで雇用できる。雇用費は政府負担。国会外では、影の首相は政府高官や公務員が出席する会合、訪問に加わることを求められる。
 
 シン氏は報酬について、半分をWPが管理する選挙区の行事や低所得者支援、党活動費、寄付などに使用すると表明した。

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