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経済

2020年7月10日

中古HDB住宅売買、行動制限解除の6月は急増

 6月の中古HDB(住宅開発庁)公営住宅の売買戸数は推定2,450戸で、364戸だった前月の6.7倍という多さだった。前年同月の1,936戸と比べても27%多かった。
 
 経済・社会活動を制限する、8週間に及ぶ「サーキットブレーカー」が6月2日に解除され、サーキットブレーカー中に蓄積された需要が一気に売買につながったものと考えられる。サーキットブレーカーの期間中、購入希望者、不動産代理業者とも、売りに出されている物件を実際に見ることができなかった。
 
 不動産仲介業オレンジ・ティー・アンド・ティエによると、サーキットブレーカー期間中、HDBハブが閉鎖されたため取引完了手続きが遅れたものがあり、これが6月の取引に含まれた。このため取引の急増を直ちに市況回復とみなすことはできないという。
 
 売買物件のうち4室の住宅取引が最多で40.3%を占めた。3室住宅が26.3%、5室住宅が24.1%だった。
 
 取引価格の中央値は前月より0.2%下がった。EARリアルティーの調査部長マク氏は、値下がりは、売り手が市況をよく認識し、現実的になっていることを示しているとコメントした。
 
 マク氏によれば、蓄積された需要は完全には放出されておらず、7月も中古HDB住宅取引は2,100戸ほどが期待でき、その後、月1,600~2,100戸の持続可能な範囲に落ち着く見通しだという。

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