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経済

2020年6月9日

経営難のセムコープ・マリン、国営投資会社が救済

 受注減で破たんの危機に直面しているリグ(油井掘削装置)大手、セムコープ・マリン(SMM)の救済に国営投資会社、テマセク・ホールディングスが乗り出す。
 
 SMMと親会社セムコープ・インダストリーズ(SCI)の8日の声明によると、SMMは株主割り当てで21億Sドル(約1,632億円)の資金を調達し財務を改善する。同時にSCIはSMMを分離し、親会社・子会社の関係を解消する。
 
 SMMは既存1株に対し5株の比率で株主割り当てを実行する。発行価格は1株20セントで、過去5日間の加重平均株価(74セント)から大幅に割り引いた。
 
 SMM発行済み株式数の61%を保有するSCIは15億Sドル(約1,166億円)相当の割当に応じ、SMMに対する融資(15億Sドル)で相殺する。
 
 SCI発行済み株式の49.3%を保有するテマセクは6億Sドル(約466億円)相当の割り当てに応じる。テマセクのSMMに対する持ち株比率は、ほかのSMM株主が割り当てにどう応じるかによるが、29.9~58%になる。
 
 SMMはリグ建造世界大手だが、原油価格の急落で油田開発事業が行われなくなり受注が激減した。
 
 株主割り当て、会社分離は第4四半期に成立の予定。SMMの借入比率(資本比)は1.82倍から0.45倍に縮小する。有形資産は19億Sドル(約1,477億円)から40億Sドル(約3,110億円)に増える。

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