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国際

2020年3月18日

マレーシアが14日間の「鎖国」、シンガポールへの物流は確保

 マレーシアのムヒディン首相は16日夜、テレビを通じた全国放送で、18日から14日間、新型コロナウイルスの感染を抑制するため国境の封鎖を含む社会、経済活動を制限すると発表した。マレーシア・シンガポール国境での人の往来も規制対象だが、シンガポールのリー・シェンロン首相は16日、ムヒディン氏とこの問題を協議し、マレーシアからシンガポールへの貨物、食品の輸送は確保するとの言質を得た。
 
 マレーシアの緊急措置では、国民の海外渡航と外国人の入国を3月末まで禁止する。マレーシア・シンガポール国境検問所では毎日30万人の往来があり、ほとんどがシンガポールで就労するマレーシア人。うち1,000人余りは看護師など医療関係従事者。
 
 シンガポールのテオ人材開発相によると、多くの雇用者がマレーシア人従業員の宿泊場所を確保したが、同省に助けを求めた企業もあり、1万人分の宿泊施設をあっせんしたという。通いのマレーシア人従業員のいる企業には1日50Sドル(約3,700円)の宿泊費補助を省から交付する。公営住宅の短期賃借要請にも柔軟に応じる。
 
 マレーシア企業に部品・原料を依存しているシンガポール企業は多く、在シンガポール米国商業会議所は17日、会員企業に影響が出ると懸念を表明した。
 
 国境検問所の1つ、ウッドランズでは同日、一旦マレーシアの自宅に戻り、衣類など生活に必要なものをバッグに詰めシンガポールに再入国しようとする人でごった返した。自動車、バス、オートバイ利用以外に徒歩でコーズウエー(連絡橋)を渡る人も多数いた。

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