シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP一等地住宅所有者の債務不履行が増加、抵当流れに

経済

2020年1月28日

一等地住宅所有者の債務不履行が増加、抵当流れに

 昨年は一等地の住宅所有者による住宅ローンの不履行が増加し、抵当権行使で売却リストに掲載される住宅が増えた。
 
 抵当権行使リストに含まれた住宅が売却されるまでの時間も以前より長くなっている。購入する側が様子見の姿勢を強めているためで、目を付けた物件に買い手がつかなかった場合、次回、最低売却価格が下がるのを待つといった動きが見られる。
 
 不動産仲介ナイト・フランク・シンガポールのまとめによると、抵当流れで売却リストに掲載された物件は62.6%増の356戸で、3年連続の増加だった。うち競売で売買が成立したのは1.4%(前年は3.1%)にとどまった。ERAリアルティーのまとめによると、競売によらない個別交渉で売却された物件は25戸を数えた。
 
 ローン不履行で抵当権行使リストに入った商業不動産、工業不動産もそれぞれ115件、153件と、14年以来の最多だった。リスト掲載物件には、前の年からの持ち越し物件が含まれる。
 
 ナイト・フランクは、経済減速と米中貿易戦争を理由とする市場の波乱がローン不履行者増の背景にあるとの分析を示した。
 
 バンガロータイプの高級一戸建て住宅も売りに出されており、債務不履行者には資産家も含まれているようだ。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP一等地住宅所有者の債務不履行が増加、抵当流れに