リー首相新年メッセージ、グローバリズムへの信頼を強調

　リー・シェンロン首相は恒例の新年メッセージで、多くの社会がグローバリズムへの信頼を失ったが、シンガポールはグローバリズムの恩恵を大きく受けており、今後も開かれた社会を維持し、世界とつながっていることが欠かせないと述べた。
 
　国内経済の低迷についてリー氏は、4月から始まる新年度では企業の生産性引き上げと労働者の能力向上のための措置を講じると表明。家計向けには生活費負担を和らげる措置を約束した。
 
　世界情勢についてリー氏は、市民による抗議行動が多発している香港、チリ、フランスの例を取り上げ、「住まいや職業など生活の根本にかかわる問題に見舞われており、また所得格差の拡大に見られるように、経済成長の果実が公正に分配されていないことに市民は怒りを抱いている」と述べた。
 
　このため多くの人が既存制度への信頼を失い、将来を悲観し、それが熱狂的愛国主義、偏狭な闘争を刺激しているという。
 
　与党・人民行動党（PAP）は31日、ヘン・スイーキアット第1書記長補（副首相）の新年メッセージも発表した。これは党として初めて。次期首相が確実なことを考慮しての措置だ。